84話 勝手に守る
「……なんだったんだ」
幸大が汗を拭って呟く。
その時。
「プサイのヤロウが来るとは思ってなかったゼ」
「……あぁ」
「ふっ、吾輩の神々しさにやられて去ったか」
見慣れた三人が現れる。
「サン!ヘータ!ショー!」
「ヨウ、久々だナ」
サン達が嬉しそうに笑う。
握手をしようとした瞬間。
「やはり……裏切り者だったわね」
「残念だぞ。サン、ヘータ、ショー」
「クク、人間に味方をする裏切り者は粛清だな」
サンピ、コッパ、ディガンマの三人が晴葵達やサン達を見下ろしている。
「……ウチらは『ボス』を、いや、オメガを元に戻してぇだけダ。そのためなら……人間とだって手を組むサ」
「……そういうことだ」
「ま、ままままま負けんぞ……」
構えるサン、ヘータ、ショー。
「みんな、晩御飯前のウォーミングアップと行こうか!」
晴葵の言葉で『無敵の六人』も構える。
「面白い……『ボス』に盾突くものは消えろ!」
ディガンマが掌から炎のように揺らめくデータの弾丸を撃ちだす。
「テメェらは『デリートソード』の準備しとケ!『データボール』!」
サンは叫ぶと、ギザギザの口を開き顔の前に巨大なデータの球を作り出し発射する。
ディガンマの弾丸とサンの光球がぶつかり合い、破裂する。
「ふ、新生『デバッグソード』の切れ味を喰らうがよい!」
六人は『デバッグソード』を展開して切りかかる。
幸大&小弓はヘータと共にサンピへ。
匡也&千弦はショーと共にコッパへ。
そして、晴葵&文菜はサンと共にディガンマへと向かう。
「裏切り者め!『ボス』の期待に応えられぬものは要らぬのだ!」
「ショーよ……残念だ」
「消え失せろ!サン、そして人間ども!」
全員がぶつかりかけた。
が。
急にサン達AI勢がガクンと膝をつく。
「お、おい、どうしたんだい!」
「ガ、体が……動かネェ」
サンが呟くと同時に雷が無数に落ちてくる。
「全員!サン達を守るんだ!」
晴葵が叫ぶ。
「でぃ、ディガンマ達は!?」
「もちろん、守るぞ!」
晴葵がディガンマ、文菜がサン、匡也がショー、千弦がサンピ、幸大がコッパ、小弓がヘータをデータの雷から庇う。
「放っておけ……人間に守られるなど……」
晴葵を突き飛ばそうとするディガンマだが、晴葵は動かない。
「悪いけど、俺たちは勝手に君たちを守らせてもらうよ。敵を守っちゃいけないルールはないからね」
ニコリと笑う晴葵。
その様子を驚いたように見るディガンマ。
そして。
「無様であるな……人間に守られるなど」
そして現れたのは、一人の少女を引き連れた灰色髪の男だった。
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