80話 ドキドキ、野郎だらけの秘密会議
あれよあれよと日にちは進み。
いよいよ明日から夏休み。
同時に旅行出発日前日となった。
そして、一学期の学期末テスト返却日にして終業式。
終業式が終わり、各自にテストが返される。
「んー……1つ2つ落としたねぇ」
全教科満点とはいかなかった晴葵がアクビをしながらテスト用紙をカバンに直す。
「晴葵先輩ー、なんでそんなに高得点なんですかー……」
「難しかったよね……」
「拙者、赤点ギリギリでござった……」
「僕も一つ危ないのがあったよ。千弦は?」
「私は晴葵には負けるけど、一応80点、90点台よ」
全員がそれぞれの反応ししている。
この様子だと、点数的には晴葵>千弦>幸大≧文菜>小弓>匡也のようだ。
「まぁ、テストがすべてじゃないさ」
晴葵がのんびりと笑って帰る用意をする。
「晴葵先輩、もう帰るんですか?」
机に突っ伏していた文菜が慌てて、帰る用意を始める。
「ゆっくりでいいよ。匡也、いつまで凹んでいるんだい。『あの用意』をしなくちゃいけないだろう」
晴葵は匡也の肩を揺さぶる。
「む!そうであったな!我々にはすべきことがあった!」
先程までの凹み方が嘘のように、元気さを取り戻して帰り支度を始める匡也。
「『あの用意』?」
千弦が訝しむように聞いてくる。
「なんでもないさ。ささ、幸大も行こうじゃないか」
「え、僕もかい?」
幸大がポカンとしている。
「早く用意するのだ、幸大よ!男三人、内密の会議といこうではないか!」
カバンを持った匡也がドアの方から呼ぶ。
「わ、わかった!」
慌てて荷物を纏めてカバンを背負う幸大。
「それじゃ、女子はゆっくり『ならふぁ』で昼食でも食べてきてくれたまえ」
「はいはい、わかったわよ。昼食を食べたら戻るからね」
頷いて晴葵は幸大、匡也と共に教室を出ていった。
「いいなぁー。会議」
「どうせろくなことじゃないわ」
羨ましがる小弓にツッコミを入れる千弦。
「じゃあ、私たちは昼食にしましょー!」
そう言って元気よく文菜が立ち上がる。
「そうね。今日は少し贅沢な昼食にしましょうか」
「あ、じゃあ私行きたいとこあるの!」
小弓の提案で女子三人は少し贅沢をしに『ならふぁ』へ向かった。
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