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78話 そうだ、旅行行こう

 再び学校に戻り、何をするでもなく時間を潰す六人。


「相変わらず外は灼熱地獄だねぇ」


「どこか海とか遊びに行きたいですね」


 文菜がポツリと呟く。


「そうだね」


 幸大も何の気なしに同意する。


「楽しそう!どこか近場でいいとこあるかなぁ?」


 小弓が首を(ひね)る。


「ま、まぁ、全員が行きたいというのなら私も別に否定しないわ」


 千弦も面倒くさい肯定(こうてい)の仕方をする。


 その全員の了承を聞き逃す晴葵と匡也ではなかった。


「……晴葵よ、聞いたか」


「あぁ、聞いたさ。これはチャンスだね」


 頷き合う晴葵と匡也。


「どうしたんだい?」


 幸大が不思議そうに聞いてくる。


「『無敵の六人』!旅行に行くぞ!」


「場所は関西最北端の県!そこの高級温泉宿でござる!」


 匡也がポーズを決める。


「温泉!いいねー!」


 小弓がぴょんと跳ねる。


「けど、中々高いんじゃないのかしら?」


 千弦が心配そうに呟く。


「はは、安心したまえ。俺の祖父の知り合いがそこのトップでね。なんとホテルでかかる料金はタダでいいとの事だ。なので、各自遊ぶ金だけは持って来るように!」


「水着買わないとね!」


「小弓、一緒に買いに行こう!千弦先輩もどうですか?」


「え、あ、そ、そうね。ご一緒させてもらおうかしら」


 慌てた様子で頷く千弦。


 なるほど、あまりこういうことに慣れていないようだ。


「女子の水着……(たぎ)るでござるな……」


「出来るだけ色っぽいので頼むよ」


 匡也と晴葵が相変わらずのテンションで女子に言う。


「みんなで……旅行……女子の……水着……(たぎ)る!晴葵、すごくいいよ!行こう!」


 幸大が珍しく情熱を燃やしている。


「おお、さすが我が『無敵の六人』の副リーダー。やる気だねぇ」


 晴葵がヘラヘラと笑う。


「え?副リーダーって匡也じゃないの?」


「いやいや、彼は纏め役というより盛り上げ役だからね。よろしく頼むよ、副リーダー」


 ニコリと笑う晴葵。


「……任せてくれ!副リーダーの僕が!必ずこの海水浴旅行を成功させる!」


 女子の水着にやる気を出す。


 幸大も男の子であった。

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