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7話 便利ってレベルじゃない

 朝。


「……ぱい……き、せん……晴葵先輩!」


「んにゃ?」


 ぐいぐいと揺さぶられる感覚で目を覚ます晴葵。揺さぶっていた正体は文菜だった。


「起きてくださいよ、晴葵先輩。朝ごはんできましたよー」


 エプロン姿の文菜がキッチンに戻る。


 どうやら二階で眠ってしまったようだ。


 周囲を見ると幸大がアクビをして向かいのソファーに座っている。


 その横では幸大の膝に足を置いて匡也が爆睡している。


「どうやら僕達、いつの間にか寝てたみたいだね」


 幸大が匡也を起こさないように伸びをする。


「はい、簡単ですけどピザトーストです!」


 小弓と文菜が各自の前においしそうなトーストを置く。


「……んお!この大変香ばしい、拙者の腹に宿りし蛙を呼び覚ます物は!」


 匡也もタイミングよく、ぱっちりと起き上がる。


「じゃあ、いただきますしようか」


「せーの」


「「いただきまーす」」


 こうして五人は揃って朝食を食べたのだった。


「今日はどうします?」


「そうだねぇ……今日は『デュアルワールド』大会でもしようか」


「100体斬りですか!?」


 文菜がワクワクしたように聞いてくる。


「ふふふ、今回はもっとすごいぞ」


 晴葵は文菜にニヤリと笑いかける。


「なっ!晴葵!お主、あの機能を使う気ではなかろうな!」


 匡也がオーバーに驚く。


「なになに、気になる!」


「僕も興味あるかな」


 小弓と幸大も身を乗り出して聞く。


 そして、全員を見回してから晴葵が口を開く。


「『対人戦』さ」


 ビルの五階、現在は半分物置となっている部屋へ来る五人。


「さて。昨日初期設定は終わったから、メガネをかけてガラケーの電源を入れればすぐに『デュアルワールド』が起動されるはずだよ」


 全員が用意を始める。


「あー、これで本当に電話ができればいいのになー」


「そうだね」


 文菜の呟きに幸大が笑う。


「出来るよ?」


「出来るぞ?」


 晴葵と匡也が同時に言う。


「え!?料金とかは!?」


 文菜が驚いて聞いてくる。


「あぁ、説明が悪かったかな。『誰にでも』かけれるわけじゃない。『俺達五人のガラケーになら』かけ放題さ。俺なら1のボタンを押して通話ボタン、幸大なら2のボタンを押して通話ボタンという風に、各自の苗字に入っている数字ボタンを押してから、通話ボタンで電話が可能だ」


「す、すごすぎ……」


 幸大がポカンとする。


「あ、文菜ちゃーん。ホントだ話せるー!」


「うわ、ホントに聞こえるー!」


 小弓と文菜が近距離で携帯を使って楽しそうに会話している。


「さて。それじゃあ、いよいよ対人戦についての説明だ」


 晴葵が手を叩いて全員の注目を集めた。

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