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64話 敵か味方か

 そして、次の日。


「さぁ、それでは再び閉鎖空間『デュアル』へ向かおうじゃないか!」


「ふふふ、我ら達の作ったアプリがどれほど通用するのか楽しみであるな!」


 ポージングを決めて匡也が千弦に声をかける。


「大丈夫よ、必ず通用するわ。だって私達の作ったアプリなのだから」


 すっかりいつもの調子を取り戻した千弦が匡也を見る。


「はは。そりゃ楽しみだ」


 そう言ってメガネをかける晴葵。


 全員もスタンバイする。


「よし、それでは全員準備はいいかな?それでは!スタート!」


 晴葵が『デュアルワールド』を起動させる。


 と同時に、いつもどおりの警告音とレンズに表示される『ERROR』の文字。


 そして、警告音が止まる頃には、外の生活音も消えている。


「着いたけど……晴葵、どうするんだい?」


「とりあえずは骨腕女とロングマフラー男を探そう。あいつらの守護地がどうのという話から考えるに、おそらく『ならふぁ』に居るだろう」


 晴葵が以前最初にショーが現れた時の、サンとショーの会話を思い出す。


『けど……なんでテメーがここにいんだヨ。テメーの守護地はこっから真反対の高校ダロ』


 おそらく『守護地』というのはサン達の担当場所だろう。


 あの会話を聞くと、ショーのように好き勝手に守護地から移動するのは禁止のようだ。


 そのため、自由なショーを例外と考えれば、サンとヘータの守護地は、おのずと二人が居た『ならふぁ』だとわかる。


「あぁ、そういえばそんな話をしていたね」


 幸大が頷く。


 六人は家(デュアル世界でいえば拠点)となる五階建ての建物から出たのだった。



「む、これは」


「ンア?」


 すっかり自身の守護地を無視して、『ならふぁ』に居着いてしまったショーが声をあげる。


「奴らが現れた。今、吾輩の『裏の目』で確認している」


「オ、マジカ。今、どこら辺ダ?」


「吾輩の守護地である高校と『ならふぁ』の間だ」


「急に現れたのかヨ?」


「あぁ、何やら建物から出てきたようだが……吾輩の『裏の目』を持ってしても、その建物の内部は(のぞ)けん」


干渉(かんしょう)出来ねぇデータで構築された建物カ」


 サンが分析するように呟いていると、『ならふぁ』内部の見回りを終えたヘータが近づいてくる。


「ならば。早く『ならふぁ』に着いてもらわなくては困る」


「どうしタ?」


「向かいの複合商業施設『シティ』屋上に、サンピがいる。気づかれるとマズいぞ」


「ケケ、ちょうどいい。ショー。テメェ、サンピのとこ行って時間稼ぎしてこいヤ」


「なっ!吾輩がか!?」


 サンがチラリとギザギザの歯を見せて笑うと、ショーはしぶしぶ『影の足』により瞬間移動した。


「さて、行くカ」


 サンもヘータと共に『ならふぁ』入口へと向かった。

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