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55話 みーつけた!

「いてて……なぜだ。いつもの文菜ならもっとノリノリでセクシーさを見せてくれるじゃないか」


 両頬を抑えながら晴葵が呟く。


「それは、晴葵先輩と二人きりだからです!他の人や厨二男と地味先輩、ロングマフラー男にナルシストキングの前では嫌です!」


 名指しで晴葵以外の男がディスられる。


「とりあえず文菜の服を元に戻してちょうだい」


 千弦がナルシストキングに詰め寄る。


「な、何を言う!吾輩は王であるぞ!人間の頼みなど!」


「へぇ……いい度胸ね。痛い服装に痛い言葉ばかり並べて、全然仲間たちからも尊敬されていないクセにいい気になって。挙句(あげく)の果てには仲間からも『ナルシストキング』と呼ばれる始末のクセして!」


「ぐばああああ!」


 ナルシストキング、もといショーが大の字で仰向けに倒れ込む。


「す、すごいダメージを負ってる!」


 幸大が思わず叫ぶ。


「わかったら、さっさと治しなさい。出来なければ……」


「治します!ピョピョピョピョーイ!」


 これまた気の抜けた言葉と共に文菜に光線を放つショー。


 瞬く間に文菜の服が元通りになる。


「いい心がけね」


 視線で人を抹殺できそうな目でショーを見る千弦。


「あ、あやつとは絶対に戦いたくない……」


「わかるでござるよ、ナルシストキング……」


 ショーと匡也が抱き合って震える。


「さて、ちょうどいい頃合だし、そろそろ元の世界に帰らせてもらおうかね」


 会話が途切れたタイミングで晴葵が話す。


「ム、テメェら自力で帰る方法あんのカ?」


 サンが不思議そうに尋ねる。


「いや、どうだろうね。俺としては君たちの能力で帰してくれるとありがたいんだが?」


 意味深な視線でサン達を見る晴葵。


「バカなことを言うな。俺達は敵同士だ。なぜ貴様らを安全に送り届けなければならない?」


 ヘータが冷ややかな視線を向けてくる。


「そうかい。もしかしたらと期待したんだが……ダメだったようだ」


「ケケ、当たり前ダロ!」


「ここで消えろ」


 晴葵達に飛びかかってくるサンとヘータ。


「じゃあ、仕方ないね。『エラー・プログラム』始動!」


 晴葵がガラケーの決定ボタンを押すと、聞き慣れた警告音と『ERROR』の文字。


「なっ!これは!」


 慌てるショー。


「んじゃ、そういうことで。バーイ!」


 そして、晴葵にサンとヘータの攻撃が当たることは無かった。


 六人が居なくなった世界で、サンとヘータは頷く。


「やっぱり、アイツらダナ」


「あぁ……そのようだ」


「な、なんだ!何の話だ!?」


 意味ありげな会話を交わすサンとヘータに対して、まったく飲み込めていないショー。


 二人はショーを置いて、地下階のフードコートに戻って行った。

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