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5話 気にしすぎ?

 夕食を大型ショッピングセンターの地下にあるフードコートで食べる晴葵達。


「いやーおいしいな」


 うどんを啜りながら晴葵がジジ臭く言う。


「晴葵先輩、それ何頼んだんですか?」


 文菜がラーメンを食べながら晴葵に尋ねる。


「釜玉うどんネギ大量乗せさ」


 自身のうどんを覆い尽くさんばかりのネギを見せて晴葵が笑う。


 確かに聞きたくなるだろう。


 パッと見ると彼のうどんは、ただのネギ丼である。


「拙者はエビが四尾も乗った天丼!まさにキング!オブ!テエエエエエエンドゥウウウウウウン!」


 勢いよく立ち上がり、両手を広げる匡也。


 このまま意識だけどこかへ飛んでいきそうだ。


 そんなことを考えながら幸大はチキンバーガーをかじる。


「幸大先輩、何か考え事ー?」


 ひょこっと、ドーナツを食べていた小弓が尋ねてくる。


「あ、いや……」


「あ、もしかして私のドーナツ欲しいのかな?仕方ないなぁー、一口あげるよ!」


 ズイと小弓が食べかけのドーナツを突き出してくる。


「え、いや、その……」


 これは俗にいう間接キスではないのか。


 幸大が迷いながら晴葵に助けを求めるように視線を送ると。


「このラーメン中々美味いね」


「あ、意外とこれだけネギ乗ってても臭くないんですね」


 自身の食事を交換して食べている晴葵と文菜の姿があった。


「デリシャス!デリシャスであるぞおお!」


 その細身のどこに入っているんだと思う勢いで匡也は天丼をがっついている。


「幸大先輩、食べないんですか?」


 少し寂しそうに幸大を見る小弓。


「い、いや……い、いただきます!」


 そうだ、こんな美少女の食べかけドーナツをもらえることなんて、自分の人生に一度あるかないかのレベル。


 ありがたくいただきます!


 幸大が大きく口を開いてドーナツに近づき、あむっと食べる。


「おいしいですか?」


「おいしいです」


 きっと今の自分はすごくニヤけているだろう。


 そんなことを考えながら幸大が周りを見ると。


「いやぁ、幸大。実にいい思いをしたねぇ」


 いつの間にか晴葵がムービーを撮っている。


「そんな甘酸っぱいラブシチュエーションを体験するとは、さすが無個性主人公!」


 匡也がババッと顔と股間を隠すような決めポーズをとる。


 座りながら器用な人物である。


「ちょ、撮らないで!やめて!」


 恥ずかしそうに顔を(そむ)ける幸大。


「おやおやぁ?幸大先輩、照れてます?」


 文菜がニヤニヤと幸大に尋ねる。


「おいしいね!」


 何故こんなことになっているか理解していない小弓だけはニコニコしていた。

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