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40話 急展開、現れる異界の住人

 そして、探索から数時間。


 外はすっかり夜になっていた。


「前回と同じで特に変わったところはないね」


「ですねー」


『ならふぁ』屋上でため息を吐く晴葵と文菜。


「こちらも同じでござった」


「元の世界と変化のある場所はなかったわ」


 匡也と千弦のペアも疲れたように晴葵達の横にあるベンチに座る。


「こっちもみんなと同じ」


「街の中も寂しかったー」


 幸大と小弓は屋上広場の芝生に座る。


「何かヒントとか無いんですかねー」


 文菜が靴を履き直そうと片足をあげる。


 そのせいでスカートがめくれ上がり中が見えそうになる。


 晴葵は黙ってメガネをかけてズームする。


「たぶん覗いてるんだろうなー……」


 同じく文菜のスカートに気づいて視線を晴葵に逸らした幸大が苦笑いをする。


 その時。


「匡也……人型の敵なんて作ったかい?」


 晴葵がメガネを文菜の横に向けている。


「なに?そんなもの我が記録書には載っておらんな」


 匡也もメガネをかけて晴葵と同じ場所を見る。


 全員もそれに(なら)って見てみる。


 すると、確かに文菜の横に人型の影のようなものが立っていた。


 両手は刃のようになっている。


「よく出来てますね。これ誰の案ですか?」


 文菜が一歩、人型の影に近づく。


 すると影は腕を振り上げる。


「危ない!」


 嫌な予感を察知した晴葵が文菜を抱きしめて倒れ込む。


「は、晴葵先輩大胆すぎです……心の準備が……」


 文菜はドキドキしながら顔を上げる。


 すると、全員が驚きで固まっている。


 たかだか仮想の敵に何を驚いているのかと思った文菜だったが、地面についた斬撃のあとを見て絶句する。


「みんな、逃げろ!」


 晴葵の叫びで建物内へ駆け出す六人。


 なんとか黒い影の刃から逃げ切り、階段を駆け下りてフードコートへと逃げ込む。


「はぁはぁ……なによ……今の!」


 息を切らして千弦が叫ぶ。


「せ、拙者の『音速移動』も限界でござる……!」


「間違いなく……あれに斬られてたら……ケガどころじゃ済まないねぇ……」


 ぜぇぜぇと息を切らした晴葵が呟く。


 その時、遠くからコツコツと足音がする。


「誰か来る!」


 文菜が小声で叫ぶ。


 全員がテーブルの下に隠れる。


 現れたのは、非常に長いマフラーで口元を隠す一人の男だった。

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