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30話 匡也VSウイルス

「結局、原因はわからず(じま)いだねー」


 小弓が教室の椅子にもたれて話す。


「そうだね……あれはなんだったんだろう」


「本当に夢だったのかも」


 幸大の言葉に文菜が返す。


 そう、晴葵に日付を見せられた時、日付だけでなく時刻も一時間ほどしか経っていなかったのだ。


「……いや、夢じゃないと思うよ」


 教室の後ろで何やら作業していた晴葵と匡也が近づいてくる。


「これを見よ!」


 匡也が見せてきたのは、彼自身の黄色のガラケーだった。


「匡也のコレは特殊でね。内蔵データや『デュアルワールド』に異常があると、その部分を記録するんだよ」


「さらに外部からの異常の場合、音声も録音するのだ!」


 そして、側面のボタンを押す匡也。


 すると。


『わわっ!』


『なになにー!』


『晴葵先輩、変なの出たー!』


『晴葵、これは……!』


『まぁまぁ、落ち着いて。全員メガネを一旦外そう』


 音声を止める匡也。


「『デュアルワールド』に異常が現れてから、今日戻ってくまで。拙者たちの声がすべて記録されている」


「そう、つまりあれは夢じゃないんだ」


 静かに呟く晴葵。


 全員が驚く。


「まぁ、俺達はもう少し原因を調べてみるよ」


 匡也を引き連れて再び教室の後ろに戻る晴葵。


「本当に現実だったんだー」


 おぉー、と小弓が緊張感のない声で言う。


「驚きやねー」


 文菜もうんうんと頷く。


「アレはいったい何だったんだろう……不思議な体験だったな……」


 幸大が独り言のように呟いた時。


 ザーっと砂嵐のような音が教室に鳴り響く。


 そして、校舎の授業用のパソコンがすべて、真っ赤な背景に黒い花の画像に変わる。


「なんだこれは!」


 パソコン授業の先生が慌てて解除を(こころ)みる。


「フフフ、無駄ヨ」


 パソコンからノイズの混じった電子音の声が聞こえる。


「新手のウイルスか!」


 パソコン担当の先生が様々な手を尽くすがダメなようだ。


 教室にいる20人ほどの生徒達も心配そうに眺めている。


「……匡也、提案だ。このウイルス、送り主に送り返す」


「フッ、技術者勝負か。面白い。任せろ」


 ゆらりと椅子を立ち、一番端の席に座る匡也。


 そしてその横に座る晴葵。


「さぁ、反撃のメロディーを奏でようぞ!」


 匡也の指が勢いよくキーボードを叩いた。

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