表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/90

26話 君との出会い〜匡也編〜

 そして、晴葵以外にとって地獄のテスト期間が終わり。


 いつの間にか『友達』となった五人は親から何とか許可をもらい、こうしてルームシェアする『親友』となった。


「懐かしいねぇ」


 思い出すように晴葵が呟く。


「ふっ、最初の幸大はまさに雨に打たれた捨て犬のような瞳であったな」


「え、そんなに!?」


 匡也の言葉に慌てる幸大。


「そうですよー。ものすごく震えてましたよね!」


「こう考えると、私達みんな晴葵先輩に救われてますよね」


 小弓が笑いながら言う。


「む、拙者は!?」


「アンタはオマケでしょ?」


「ぬおー!」


 わざとらしく地面に膝をつく匡也。


 笑う四人。


 まるで、自分たちが現在閉じ込められているなんて忘れているかのようだ。


「そういえば、晴葵と匡也の出会いはどんなのだったの?」


 幸大が笑って聞いてくる。


「あ、それ興味あります!」


「匡也はどっちでもいいけど、晴葵先輩の過去は超気になります!」


 三人が身を乗り出して聞いてくる。


「ふふ、よかろう。拙者達の50年に渡る……」


「今、いくつや!」


 文菜が匡也にツッコミを入れる。


「そうだねぇ。俺達が会ったのは文菜達の入学式の日」


「懐かしいな」


 思い出すように、照れくさそうに笑う晴葵とカッコつけて笑う匡也。


「どっちから声をかけたの?」


「最初は晴葵であったな」


「そうだねぇ」


 頷く晴葵。


「あれは、入学式の朝であった……」



 高校入学式。


 全員が少し緊張した顔で写真を撮ったり、先生に挨拶している中。


「ふっ、くだらん。大衆の思考は拙者には幼すぎる」


 今と変わらぬ意味不明な決めポーズをした後、親から逃げて校舎へ入る匡也。


 教室では数名の在校生と、胸に花をつけた新入生が集まっている。


「拙者!見参!今宵、この学びの巣窟(そうくつ)に新たな旋風を巻き起こしに()せ参じた!」


 ビシィとポーズを決めて勢いよく教室に入る匡也。


 新入生在校生が揃って距離を開ける。


「ふっ、やはり選ばれし者は理解されぬか」


 決めポーズで呟く匡也。


 ハッキリ言って期待などしていなかった。


 元よりコミュニケーションの苦手で、独特の世界観を持つ、匡也は小さな頃から友人と呼べるものが少ない。


 いや、居なかった。


 そのため、小さな頃から一人で出来る物作りが好きだった。


 そのおかげで、中学にして自作の高性能パソコンを作り上げる腕前になった。


 だから、今回も、これからも、一人で孤高を歩むと思っていた。

 孤独ではないと信じていた。


 痛いほど強く拳を握りしめる。


 こうすれば、周囲の差別的な目がマシに見えるから。


 匡也が再び叫ぼうとしたその時。


「君、素敵な二の腕だね。写真を撮ってもいいかな?」


 匡也の隣で女子の絶叫が響き渡り、何かをビンタする音が聞こえた。


 慌てて振り向く匡也。


 そこに立っていたのは。


「いてて、アグレッシブだねぇ。それもまたよし!」


 変態全開でニヤつく男、黒一晴葵だった。

閲覧頂きありがとうございます!

よければ

⑴ブックマーク

⑵評価

も励みになるのでよろしくお願いします!( ˙꒳˙ )

⑶感想

まで頂けると泣いて喜びます( ;꒳; )


これからもよろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ