24話 君との出会い〜幸大編〜
先生からの『ありがたい』テストに対する心構えを説かれた晴葵達。
「はい。それではこれから、みんなでテストに向かって頑張っていこー!おー!」
教壇に立つ女の先生が一人で盛り上がっている。どうやら、熱血タイプのようだ。
「ま、マズイぞ晴葵。拙者とキャラが被る先生でござる」
「全く被ってないから」
ボソボソと前の席の晴葵に話す匡也の左からツッコミを入れる文菜。
「でも、テストは苦手だよぅー」
机にべちゃーと突っ伏して、文菜の左隣に座る小弓がうなだれる。
「あまり気を張らずにね。のんびりと頑張ろう」
晴葵自身は私立中学。国立さえ目指すような者がいる学校に行っていたので特にピンチとは思わない。
「ぐぐ。拙者、改造などは得意でござるが、勉強となった途端一気にダメになるなりー」
匡也も机に突っ伏す。
「さすが、晴葵先輩。余裕ですね」
文菜が嬉しそうに笑う。
その時。
「あら、幸大くん。おはようございます」
女の先生が教室に入ってきた生徒に挨拶をする。
「幸大……あぁ、前の歓迎パーティーの時に休むと連絡のあった子だねぇ」
晴葵が思い出したように言う。
「そういえば、そんな事を先生が校長に申していたな」
匡也も頷く。
「お、おはようございます……」
幸大は小さくお辞儀をすると、そそくさと空いている晴葵の右の席に座る。
「やあ、おはよう。社長出勤とは気が合いそうだ。俺は高二の黒一晴葵さ」
晴葵が幸大に声をかける。
「ど、どうも……」
困ったようにお辞儀する幸大。
「フッ、案ずることは無い。我が名は黄三匡也。高一というのは仮の姿、本当は天界より人間を守護するために遣わされた正義の使者なり」
匡也の妄想トークが捗っている。
「はいはい、アンタは黙ってて。私、高一の白四文菜。よろしく」
「はいはーい。私、高一の赤五小弓です!」
「あ、ど、どうも……晴葵くんに、匡也くんに、文菜さんに、小弓さんですね。僕は緑二幸大って言います」
晴葵達の挨拶に丁寧に返事する幸大。
「そうか。よろしく頼むよ、幸大。それと、俺の事は呼び捨てで構わない」
「あ、私もー」
「私も呼び捨てでオッケーだよ!」
「拙者もでござる」
全員がニコニコと幸大に話しかける。
「じゃ、じゃあ、晴葵と匡也と文菜と小弓……」
幸大は緊張した様子だったが、どこか嬉しそうだった。
「はいはい、そこ。自己紹介は後でしてね。それじゃあ……文菜さん。この問題を解いて」
先生がにこやかな顔で文菜に問題を出す。
「ええ!」
慌てる文菜。
「x=2」
晴葵が頭を掻きながら答える。
「はい、晴葵くんが答えちゃったけど正解。よく、一瞬で解けたわね。さすがよ」
先生が驚きの声で晴葵を褒める。
「十秒もあれば充分ですよ」
「そう。なら、しっかりと前を見ていれば五秒で解けるわ」
楽しそうに目を閉じて注意する先生。
「ありゃりゃ……こりゃかなわないねぇ……」
頬をかく晴葵に周囲は笑いに包まれる。
先生も愉快そうに笑っている。
「す、すごいね。晴葵」
横から幸大が話しかけてくる。
「まぁね、俺は変人だから」
ニッコリと笑う晴葵に幸大も笑い返していた。
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