20話 君との出会い〜小弓編2〜
「えっと、君が四番?」
「はい!赤五小弓です!今年入学しました!」
ビシッと敬礼してみせる小弓。
「ほほう、覚えているよ。君は入学式の時に静かなタイプ、イケイケなタイプ。その区別無く仲良くしていた子だね。そして、健康的な太ももの持ち主の子だ」
大抵人とは似たもの同士でグループを作る。
静かなタイプの子は静かなタイプと。
イケイケ系な子は、イケイケ系と。
しかし、小弓は晴葵と似ていて、どちらとも上手く付き合っている様子だった。
というより、どちらとも上手く噛み合ってなかった。
そう、簡単に言えば何も考えていない天然なタイプなのだろう。
「健康的ですか?やった、褒められました!」
晴葵のセクハラ発言を素直に喜んでいる。
嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる小弓。
文菜が犬なら、小弓はウサギのようなイメージだ。
「まぁ、立ち話もなんだし。どこか座ろうか」
「はい!」
チラリと文菜と匡也を見る晴葵。
決めポーズで話す匡也とウガーと叫んでいる文菜。
あれはあれで大丈夫だろう。
晴葵は小弓を近くの椅子に座らせて自分も腰を下ろした。
「先輩って、いつも教室で人気者ですよね!」
キラキラした目で聞いてくる小弓。
「まぁ、人気者というか異端者というか……目立つ存在ではあるかもねぇ」
文菜が男女として懐いてくるタイプなら、小弓は兄妹のように懐くタイプのようだ。
とても、ワクワクしたように晴葵の話に頷く小弓。
「すごいです!カッコイイなぁ……」
お世辞ではなく、心からの羨望の声を出す小弓。
「いやいや。ところで君は好きな食べ物はあるかな?」
「好きな食べ物ですか?えっと」
なんとか、こちらも質問を返して、二人の会話は盛り上がった。
そして、数時間後。
運動場兼駐車場に移動していた全員。
「じゃあ、今日のところはそろそろお開きにしようか」
すっかり暗くなった空を見上げて、校長先生の声がかかる。
「匡也。『例の企画』。準備は出来ているかい?」
「ふふ、もちろんだ。我が盟友晴葵。いつでもいけるぞ!」
そして、全員が教室に戻ろうとした時。
「さぁさぁ!楽しかったパーティー!何も無くラストを迎えるのは寂しくないでしょうか!」
晴葵が匡也の改造したメガホンで全員に呼びかける。
生徒、そして、先生。全員の注目が、晴葵、そして、匡也と文菜に向けられる。
「俺達のパーティーらしさと言えばこれだろう!皆さんご一緒に!スリー!」
晴葵が叫ぶ。
「ツー!」
文菜が叫ぶ。
「ワアアアアアアアアアン!」
匡也が絶叫する。
「「ゼロ!」」
わけもわからず生徒達が叫ぶ。
そして同時に。
軽いバシュッという音がして、空には大輪の花がいくつも咲き乱れる。
ドドーンという音とともに。
「これは……!」
教員勢が驚きの声を上げる。
「わぁ!綺麗!」
生徒達が喜ぶ。
空に現れたのは、大量の打ち上げ花火だった。
「さて。俺達は逃げるとしようか」
「でござるな。ふふふ、まさに早業よ」
「さっさと、逃げましょー!」
全員が大騒ぎする駐車場。
仕掛けではあと10分ほど自動で打ち上げられ続ける仕組みだ。
こっそりと教室から自分たちの荷物を持って逃げ出す三人。
駅に向かうまでずっと、花火が綺麗に打ち上げられていた。
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