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1話 うるさい五色

 ミンミンとセミの鳴き声が響く教室。


「あちー」


「今日の気温は35度を超えるらしい。まさに灼熱の太陽に抱擁された気分だな」


「いちいち例えるのやめてー」


「アイス買いに行く?」


「そうしようか」


 誰もいない教室でうなだれる五人。


「……誰も動かないねぇ」


 現在の時刻は午後一時。


 真夏の暑さはピークに近い。


 この中で外に出るのは勘弁だ。


「これは誰か一人が行けばいいのではなかろうか。拙者、ナイスアイディイイイイア!」


 このサウナのような暑さの中、決めポーズをとる黄三匡也(きさん まさや)


「相変わらず、うるさいー」


 シャツをぱたぱたさせながら服の中の熱気を飛ばす白四文菜(しろよん あやな)


「文菜、ブラチラしてるぞ。ピンクとは男心をわかってるな」


 こんな暑さの中でもエロに頭を傾ける黒一晴葵(くろいち はるき)


「文菜ちゃん、ピンクなんだ。私、今日水色ー」


 男の前で言ってしまうという天然さを炸裂させる赤五小弓(あかご こゆみ)


「そ、そんなことはいいから、アイス買いに行こうよ」


 暑さとは別の意味で顔を真っ赤にさせた緑二幸大(みどりに こうた)が話を切り替えて立ち上がる。


「そうかそうか、幸大が行ってくれるか。んじゃ、俺ハーゲンゲッツのバニラ」


「拙者は抹茶を所望する」


「アタシもバニラー」


「私はストロベリーかな」


 幸大以外の四人が口々に依頼する。


「え、え、みんなで行かないの!?」


生贄(いけにえ)は一人いれば充分」


「ちゃんとドライアイスもらってきて下さいよー」


「よろしくねー!」


「んじゃ、頼んだ」


 ポンと幸大の肩に手を置く晴葵。


「そ、そんなぁ……」


 ここから駅近くの大型ショッピングセンターまでは10分はかかる。


「幸大先輩、ふぁいとー!」


「幸大先輩、かっこいいー」


「わ、わかったよ!」


 女性二人に応援されて幸大は教室から出ていった。


「さて、と。クーラーでもつけるかねぇ」


「む、晴葵。お主、エアコンをすでに直していたというのか!なんたる早さ。まさに神業よ!」


 ビシッとポーズを決めて叫ぶ匡也。


「ささ、みんな。幸大が帰ってくるまで涼んで待っていようねー」


 のんびりとした口調で晴葵が修理したエアコンをつける。

「涼しー!」


「さすが、晴葵先輩!」


「ははは、お礼はチラリズムでいいよ」


 女性陣にニッコリと穏やかな笑みを向ける晴葵。


 こうして四人は涼しい風の吹く中でのんびりと汗だくであろう幸大を待ったのだった。

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