上巻 第2章3部 海
上巻 第2章3部 海
先輩に貰ったほうじ茶を一口飲んだ。ホーッと深いため息をつく。
「で、お前はその女を覚えていなかったと。」
あちゃー…と先輩は苦笑いをする。先輩はまだ少し元気がなかったが、少しずつ立ち
直っている様子に見えた。
「どうしたらいいっすかね…?」
知らねーよ、と先輩は笑い、自慢げに言った。
「俺、一度あった女は絶対忘れないし…だいたい自分が好きな女は絶対離さないからな。」
まだ好きとは言ってないが、彼女の事を僕は少なからず気にかけていた。
いや、もうほとんど彼女のことばっかりだ。近くの木がザワザワと揺れる。
古いベンチはきしみ、今にも壊れそうだった。
「そう言えばお前、ちょっと前に本がなんとかって言ってなかったっけ?」
「はい?」
「だから…運命の人が図書館にいて、その人が僕かもしれないとかなんとか…」
あぁ、そんな本があったっけ…。運命の人が僕とぴったり重なっている本か。
そういえば、あれって誰が書いたんだろう…
「その人人妻なんだろ?もし居たとしてもやめとけよ」
言い方に問題があった。ところで最近は海の事で頭がいっぱいだったから、本を読む
日数が少なくなったと思う。久々に図書館に行くのも悪くない気がした。
投稿ペースについて考えた所、日曜日に2部投稿するより、週2で投稿をした方がいいのではないかと思いました。
なので、今後は日・水に投稿とし、「こまめに少しずつ」を意識して投稿します。
今後ともよろしくお願いします
──────アーモンド