そして高校デビューは失敗に終わった
時は流れ、学校に入学してから2週間が過ぎた。未だに友達ができる様子もなく、これと言って大きなイベントもない。学校にも慣れ、とりあえず人の数にも慣れた。うちの高校人多いから。中学までは60人とかの学校から600人はきついっすよ。
そんで今world cryのLIVEDVD視聴中である。ロックっていいなぁ。好きに暴れれるっていいなぉ。
まだ先輩たちとセッションした時の感動が残っている。余韻にも浸れる。ほぼ授業中は浸っている。
そんな中ふと気になった。俺の髪型はカイトに似せてるわけだが、前髪が長くて陰キャっぽい。かっこいい人がやってるからかっこいいわけで、俺がやってもただのヒキニートである。
「あぁ…気づいちゃった。俺気づいちゃったよ…」
俺は文道具のはさみを取り出し、鏡とにらめっこ状態と化した。暫しの沈黙がありその後意を決して断髪した。
翌日
新たな自分になってから初の登校。生まれ変わったのだ。いや、一度死んだのだ。いま、死体のまま歩いているに近い。
失敗しました。
髪型は日本の国民的アニメちび〇子ちゃん状態です。今からまるちゃんと呼ばれる日々が続くわけで…
みんなの視線が痛い。さらにギターを持ち歩いて登校しているからなお視線が痛い。確かにわかる。わかるよ。ギター持ったちび〇子ちゃんいたらビビるよね。二度見もするよね。何より俺はその事実を受け入れられなくて3度寝くらいしたよね。
教室に入ると変な視線で見る生徒の群れ。おふ。きついぜ全く。人に見られるのは全然慣れてない。あぁ。LIVEとかし始めたら…不安が募る。
「城本っち、なんかに似てるな…」
このクラス1人気者の奴が話しかけてくる。実は名前を知らない。オリエンテーションの際すごい緊張と感動のため