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枕の下に 希望の上に(6)

木造校舎

キシリリと鳴る

木造校舎の中

土足で歩いても

何も言われない

埃まみれの廊下は

履いてきた靴の裏跡を残して

歩いて来た道のりを

露呈していた




建て付けの悪くなった扉は

各教室の出入りを

悪くしていて

もう誰も寄せ付けない建物に

なっているのだと感じた

教室の中は

机が部屋の後ろに

押し付けられていて

椅子が二つづつ重ねられて

その前に並べられていた




変わらない黒板は

あの日より黒ずんで見える

大人になったんだと思いながら

そう見えてしまう現実が

少し悲しかった

透明な子供達という表現ですら

出てこない場所に

変わり果てたからか

取り壊して

別の場所に変わるらしい

校舎から出て

さよならを言うけれど

その対象すら無い

何に言った

さよならか

何処へ行った

さよならか




思い出に抱いた感情は

これからには関係無い

物分かり良くなった頭の中が

あの頃とは

変わってしまったから

そうやって思ってしまう事で

守りたい何かも

変わってしまった

必要が無い物を

持っているという余裕すら

無くなってしまうのなら

濃縮された物の中で

溺れてしまえば良い

きっと聞こえてくる

何に言った

さよならか

何処へ行った

さよならか


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