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青城一族

妄想の続きです、軽く下ネタがあるので、苦手な方は控えていただければと。

「はぁ...ただいまぁ...はぁ」


「はぁ?、なんで帰ってきてんの?」


「あぁ!、さすがは我が妹!、怒った顔も愛くるしい!」


 肩で息をしながら帰宅した俺を待っていたのは、超絶キュートな青城 笑 14歳、俺の妹だ。

 ここに明言すれば、青城 泉、俺はシスコンである。


「そんな気色の悪い目で見ないで、それで?、早退したの?」


「うん、色々ワケありでね」


 靴を脱ぎながら話を進める、勿論、靴を脱ぎながらでも目線を妹にむけることはおこたらない、そんな妹の目は冷えきってはいるけれども。


「で、お母さんに連絡は」


「いいや、してないよ」


「ったく、エミが電話しとくからさっさと部屋に戻りなさいよ、教育費ドロボーが」


「教育費ドロボーって、なんか、違くねそれ?、しかもお前だって今日学校は?」


「土曜参観で今日は代休だ!、兄貴と一緒にすんなっ!」


「ふぶぅっ!!」


 空手有段者である妹の上段蹴りが炸裂、俺の身体は軽々と吹っ飛ばされ、転がり、階段の角で頭をぶつける。


「っぐぅ!、これも、これでまた」


 もうひとつ明言しよう俺は最近変態になりつつある。



―――(ФωФ)―――



 揺れる視界で階段を登り、自分の部屋に入る、鍵をかけ、カバンを机に放り投げ、そのまま布団に倒れこんだ、仰向けになりながら部屋の隅にある本棚へ目をやる、本棚そのものにはなにもおかしな所はない、しかし、置かれているものは普通じゃない。


「エロ本とDVDが本棚にびっちりとか、我ながら圧巻の光景だな(笑)」


 がばっと起き上がり、今度は本棚の隣にある収納箱へ向かった、箱を開けると中には大量のアダルトグッズが丁寧にしまってある、中から適当なものを選び、本棚からオカズを取り出す、タオルを二枚用意し、部屋の中央へ、後は・・・


「やりますか!」


 青城 泉、血気盛んな彼は1日8回の自慰行為を週5のペースで行う、自慰行為を行うかどうかはその日のムラムラ度によって決めるのだが、昨日はそのムラムラ度が規定値に達したにも関わらず、睡眠不足やバイトの多忙が重なり、睡魔がムラムラに勝ってしまったのだ。

 今日の学校の早退理由「犯罪を犯しそう」は、正確には「性犯罪を犯しそう」であり、規定値に達したムラムラを満たさずに放置すれば、彼は無性に女性を襲いたくなるのだ、その肉欲は某ホラーアクションゲームのゾンビのように強い、だからそうなる前に彼は学校を早退することを選んだ、これは彼の未来を考えた上での当然の判断である。



―――(ФωФ)―――



「んぁ?」


 ゆっくりと身体を起こし、周りを見る、カーテンのかかった窓からの光は無く、それだけで今が夜だということが分かった。

 正確な時間を知りたく、机の上のパソコンを起動させる、可愛らしい子猫の壁紙を背に、でかでかと19時37分と表示される、どうやらあれから6、7時間は寝ていたようだ、それを認識した彼を空腹が襲う。


「そっか、昼飯も食べてないんだっけ」


 よたよたと自室の扉を開け、階段を慎重に降りる、下から香ばしいいい臭いが漂い、フライパンをふるう音とテレビの音、妹の笑い声が聞こえる、自分もその輪に加わりたいと思い、慎重だった足で階段を蹴り、6段飛ばしを実行した。


「階段はちゃんと降りろと言ってあるだろ」


「ぬぶぶっ!?」


 着地点に俺を待っていたのは足の裏、それは俺の腹を捉え、身体を階段に吹っ飛ばし、頭を階段の角にぶつけた、この光景には既視感があるが、なにせ威力が違う、今度はさすがに失神しかけた。


「ったく、聞いたぞ、今日は早退をしたんだって?」


 ゆっくりと顔を上げ、相手の顔を確認する。

 白髪の混じった髪をオールバックでまとめ、キリッとした目つきに着崩したスーツがよく似合っている。


「だからってさぁ、実の息子に上段蹴りはよかないと思いますけど?」


 青城 強、青城家の大黒柱、俺の父親である、その見た目には威厳が満ち溢れて・・・


「親父、なにソワソワしてんの?」


 痛みを堪えながら立ち上がる、そして自分より背の高い親父を見上げると、親父はどこか落ち着かない様子だ、そう、まるで・・・


「いや、テレビが思ったより面白くて、尿意を我慢してたら――っ!、ちょ!、もう漏れそう!、トイレ行っていい!?」


「トイレ行くのに息子に許可を求めるなよ!、てか、いい年した大人がそんな理由でギリギリまで尿意を我慢すんなっ!!」


 結局親父は最後まで話を聞かずにトイレへ足早に向かったのだ、さて、俺もさっさと食卓につk


「あぁ手が滑った」


「あったつうんあぁぅうっ!!」


 俺に降り注ぐ熱個体の雨、せっかく立ち上がったのに今度は床を転げ回ることになった。


「あぁ、ごめんねぇいずみちゃん、あなたを狙って手を滑らしちゃって、鶏肉のニンニクの芽炒めをかけちゃったわ」


「俺を狙ってる時点で、それは故意なんだよ!、オカン!」


体の至るところについたニンニクの芽と鶏肉を払いながら、相手の顔を見やる、茶髪の長い髪に性格とは裏腹に優しそうな垂れ目が印象的である母親だ。


「ったく、で、俺にかけてしまった料理を作りなおさなくていいわけ?」


「大丈夫、それはいずみちゃんにぶっかける用の料理だから、食卓に並ぶのは別よ」


「食い物を粗末にすんな!、てか、俺用にそんなものを作るなよな!」


「そうそう、いずみちゃんの言うとおりね、それはいずみちゃん用の料理だから、粗末にしないよういずみちゃんが食べてね」


「俺の言葉が俺にまさかのリターンっ!」


「しょうがないさ泉、我慢して食べなさい」


 両手を頭部に回し膝立ちでのけ反り、マイガッのポーズ、そんな俺にトイレから戻った親父が優しく声をかける。


「よく親父もこんな人と結婚したよな」


「わたしとあなたは愛し合っていたものねー」


「ソウダヨ、アイシアッテイタノサ」


 そういう親父の言葉に感情はなく、過去を思い返しているであろう目はどこか虚ろであった。


19時50分 青城 泉は晩ご飯を食べ 24時19分就寝したのであった。


主人公が自慰をするというのはどうかとも思うのですが、そうしないと妄想が上手く進まないのでお許しください。

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