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朝食後2

「わしの名前は桜木 秀栄と申しまする、これからここの司会進行を務めさせていただきまする」


 優男はそう言った、司会進行、うん、必要だすごく助かる。

 そして優男は続ける。


「で、大輝様が謎の集団を見たという話でしたな?

――――うむ、では、それに対してお嬢様は?」


「HCG、多分海外組織になるわね、ワタシはその組織について何も知らない、日本で活動する組織も」


「お嬢様、嘘はよくありませんぞ、活動する組織ならありまする」


「黄桜財閥と言うべきなのかな?」


 最後に俺が口を挟む、ここまで環境を保持しておきながら隠そうとしているなんてお笑い草だ、多分、日本で活動している組織があるとすればここ、黄桜財閥だろう。


「なるほど、青城様はもう既に分かっておられたか、なら、次へ進みましょう、青城様」


 優男に促されたので口を開く。


「次か、なら学校側の校門のサクバスだかりは一体なんなんだ?」


「あとで、学校に連れていくわ、その時にそれも分かる」


「・・・・・、なら、屋敷側にいたサクバスは?、あいつだけは周りのサクバスとは違った、強さとか行動とかが、あとあの塊だ、気色の悪い」


「マザーのことだね、あれは繁殖をするための状態、マザー化、普段は男を食料とするサクバスもマザー化してしまえば只の凶暴な生物、卵巣に近づくものは容赦なく殺す、そして死体を子供のエサとする」


 しばらく黙っている大輝と目を合わせる、大輝が見て吐き気を催した光景、それは人の塊、死んではいない、生きている人間が山のように重なり、謎の粘液と絡まり塊となっていた、誰も喋らない、目だけが虚ろに見開かれた生者の塊。


「あれがマザーの巣なんですか?、生きた人間が?」


「そうか、確か屋敷の前にもあったわね。

あの生者の中にはサクバスの卵が植わっている、サクバスの幼体が孵化すれば、生者を貪り、そのまま成体のサクバスになる、その時間僅か30分、とてつもない繁殖力なわけよ」


「ハツカネズミかよ、いや30分ゴキブリか・・・、てか、卵?、あいつら雄雌があんの?」


「それについてはワシから、日本にいるサクバスには雌個体しかいないと思われまする、理由は簡単で、やつらの生殖器が雌特有の物しかないからでございます、まぁ、もしかすれば、偶々運ばれてくる研究材料が雌だけだったということも考えられまするがな」


「研究ですか?、サクバスの?」


 あ、校長が大輝に殺気放ってる、あいつ余計なこと言ったみたいだな、明日には富士の樹海にいることだろう、南無南無。


「おっと、こいつは口が滑りましたな、失敬失敬」


 けれど、この情報もある程度予測できたものだ、次に、聞かないといけないこと。話が落ち着いたところに切り込む。


「ここの環境の運営?、いや、環境の保持は一体どう行っている?」

「それも学校側を案内すれば分かること」


 むぅ、即答か、しかし、学校に行かないとわからないことが2つあるのか、これは早く学校に行かなければならないな。

 そして、最後だ、これは質問ではなく交渉、しかも俺や大輝にとって最も重要視される交渉。


「最後に、青城 笑の捜索を要求したい」


 それは俺の妹、大輝の妹、存在感だけの残された誰の記憶にもない妹、妹の捜索。


「・・・・・、いいとも、青城 笑の捜索をしようじゃない」


 この少しの間が俺は疑問に思った。

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