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第7話

放課後、直樹は昨日とボラ部の部室にいた。昨日の賭けの結果は、咲季の勝ちとしか言えない結果だった。

「それで、どこから先輩の筋書だったんですか?」

「そうね。あなたが昇降口から出たところくらいからかしら?」

先輩は笑顔でそういった。


今朝、直樹が教室に入るとクラスの男子(一部他のクラスの人もいた気がする)に囲まれた。

「萩村、お前中村先輩とどういう関係なんだ?」

「どうして、お前だけボラ部に入部できたんだ?」

彼らはどうやら昨日の直樹と咲季のやり取りを聞きつけてきたようだ。そして、一様に咲季とボラ部についての質問をぶつけてきた。大体、同じようなやり取りを休み時間のたびに続けることになった。当然、昼休みにも昼食を取りながら色々問い詰められることになった。

彼らが言うには、咲季は学内でも有名人らし、男子だけでなく女子からもあこがれの存在とのことだった。そんな咲季が公衆の面前で、直樹を連行していったとなると話題にならない要素がないとのことだった。彼らの質問は、咲季のことから徐々に直樹自身に関することにまで及び、結果として「萩村ってからみにくい奴だと思っていたけど、そうでもなかった」という結論に至ったようだ。

結果:友達ができました。


「私ね、高校であなたを見つけた時からボラ部に入部してもらおうって決めていたのよ。それで、情報収集として、あなたを観察していたら、クラスで浮いるのを見つけたのよ。それで、この作戦を思いついたのよ。私、こう見えても容姿には自身もあるし、評判もいい事も知っているから、大勢の前であんなパフォーマンスをしたら、話題になるって分かっていたのよ。それでも、下級生がわざわざ私のところまで話を聞きに来ることはないし、そうなると、必然的にあなたの周囲に人が集まることになるでしょ?」

この人はどうやらかなり計算高いようだ。それに自分が持っている武器を良く知っている分たちが悪い。

「それでも、俺がこの部に入部してから退部するって可能性ありますよね?」

「それはないでしょ?だって、これだけ話題になったら、あなたとしてはボラ部をやめにくいでしょ?」

咲季は満面の笑顔でそういった。本当にたちが悪い人だ。この人の計画を成功させるには、俺の下校するタイミングにちょうど人だかりを作って俺の興味を引く必要、俺の普段の様子や言動などを細かく知っておく必要があるが、そこを聞いてしまったら、何か取り返しのつかないようなことになると思ったので、聞かなかった。そして、咲季はおそらく直樹が何と言おうともなんと言おうとも、逃げ道を塞いで、入部させるように仕向けるためのカードをまだ数枚持っているということは、さすがに直樹も分かった。

「わかりましたよ。ボラ部に入部します。」

「そう、よかったわ」

咲季は先ほどよりもいっそうまぶしい笑顔でそういった。先輩、その笑顔は反則です。



「さて、君が正式にボラ部へ入部したところで、ボラ部についての説明をしましょうか」

本来ならば、最初に説明されるべき情報であるが、昨日のやり取りのおかげで完全に後回しにされてしまっていた。もしかすると、これも咲季の作戦の内だったのかもしれない。

「ま、うちの部長は私よ。他の部員は今のところあなたしかいないわ。今後も特に増える予定はないわ。顧問は英語のエミリー先生よ。先生は美化活動をする日しかボラ部に顔を出さないから、その時に改めて紹介するわ。あ、この美化活動は毎月第二木曜日の放課後にやっているからその日は軍手持ってきておいてね。昨日も少し話したけど、ボラ部の伝統で報酬をもらう代わりに、生徒のお願いを聞いてあげるっている活動もやっているわ。これは、またにしか来ないからその時が来たら説明するわ。説明は以上よ。何か質問ある?」

「じゃあ、2つ質問させてください。どうして部員を増やさないですか?昨日あんなに入部希望者がいましたよね?それとボラ部って木曜の美化活動にさえ参加すれば、その他は一応自由って事でいいですか?」

「まず、部員だけど、私的には下心見え見えの男子を入部させても、鬱陶しいだけだから、増やす予定がないだけ、まあ、可愛い女の子なら考えないこともないわ。活動についてはそれで問題ないけど、暇だったら部室に来なさい。ここは基本的に誰も来ないからある程度好き勝手できるし、勉強とかだったら私が教えてあげないこともないわよ」

確かに、この部室の条件は悪くない。レンジ、冷蔵庫、ポットとなぜ高校の部室にあるのかがわからないようなものもあるし、壁際の本棚には文庫本が結構おいてある。放課後暇をつぶすにはなかなか悪くない条件だった。

「まあ、気が向いたら来ますよ」

直樹の中では、放課後はここに来ようと決めていた。

「分かったわ。一応、合いかぎを渡しておくわ。私がいなくても勝手に部室に入ってもいいからね」

どうやら、直樹の考えは咲季には分かり切っていたようだった。


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