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第10話
「いた。この人です」
「やっぱり、そういうことだったのね」
何かひらめいた咲季はもう一度佳織に卒業アルバムを確認させていた。直樹も手伝おうとしたが、役に立たないといって手伝わせてもらえなかった。
「先輩、結局どういうことなんですか?」
「木下健は確かに永高の生徒だったわ。ただし、卒業生ではなかったの」
「つまり、木下健は途中で退学していたって事ですか?」
「転校って可能性もあるけど、おそらく事務的には退学という形で処理されていると思うわ。森田さんの情報が間違っていると思えなかったけど、さっき確認した時には木下健って卒業生の写真はなかったでしょ?それで、もしかしたら卒業してないんじゃないかなって思って、森田さんに入学時の集合写真を確認してもらったのよ」
なるほど、確かに直樹が手伝っても役に立たないわけだ。
佳織が木下健の写真を見つけたアルバムはいまから6年前のものだった。つまり、佳織が木下健と出合った時、木下健は高校1年だったことになる。
「森田、それでどこが木下健の写真なんだ?」
「この人よ」
佳織が指さしたのは他の生徒よりもやや大人びた少年だった。その他は特に目立った点はない普通の生徒のように見えた。




