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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私の世界が壊れた日

作者: 小林久奈

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


静かな部屋で荒い呼吸の音だけが響いていた。

私は座り込んで俯いたまま荒い呼吸を続けている。目に映るのは自分の手

力なくたれた両手は血に塗れた包丁を握っていて、その手も真っ赤に染まっていた。

自分の目の前には血まみれの赤い塊・・・数分前まで「人」であったもの。


・・・どうしてこんなことになったんだろう・・・


いつもと同じ朝でいつもと同じ会話でいつもと同じ苛立ちを感じていただけなのに

なにかが「いつも」と違った。

いつもなら苛立っても自分を抑えられた。感情のコントロールはできていた。

だけどこの日は違った・・・

いつもと同じ台所でいつもと違って包丁が出ていた。だからかもしれない

自分を抑えきれず、感情のコントロールができず、包丁を手にしてしまった。


そして私は目の前の「人」を刺してしまった。


目の前の人は信じられない表情を浮かべて自分の腹部を見た後、私を哀れんだ目で見た。

それが気に入らなかったのか、私は刺した包丁を抜いて別の場所を何度も何度も刺しだした。

包丁を抜くたびに血が飛び散り私の手を、服を、顔を染めていった。


いつしか目の前の「人」は動かない血まみれの「肉の塊」になった。


荒い呼吸が少しずつ収まっていく、頭が冷静に考えられるようになってくる。

自分が犯した行為をゆっくりと理解していく・・・


・・・私は「人」を殺した・・・


頭が全てを理解した時、私は冷めた目で目の前の赤く染まった「肉の塊」を見ていた。

自分が犯した罪にパニックを起こして発狂するでもなく

凶悪犯のように人殺しに快楽を覚えて獲物を探すわけでもなく

ただ「人」だった「肉の塊」を見ていた。


悲しいという感情は沸かない

頬を伝うはずの涙も流れない

何も感じない・・・


鉄の匂いが鼻につく

視覚と嗅覚がこれは現実だと突きつける

私自身もこれが現実だと理解している


なのになぜ、私は動けないのだろう・・・


犯した罪の重さもわかっている

自分が次にすべき行動もわかっている

頭では全て理解できているのに体が言うことを聞かない。


手が動かない、足が動かない、顔も首も目も口も・・・全て動かない・・・


まるで私が私でなくなったみたいだった。

否、「私」はすでに「私」ではない。


「私」は自分で自分を殺したのだ。愛され守られていた「私」と「私の世界」

それを壊したのは自分だ。人の道を外れた「私」はもう以前の「私」ではない。


時は決して戻らない。そして犯した罪も・・・


私はただ血塗れの肉の塊を眺める。

滅多刺しにしたためぐちゃぐちゃで顔もわからなくなっている。

何度見ても罪悪感も沸かない私はもう人間じゃないのかもしれない・・・


「私」は揺りかごのように暖かい世界をくれた「人」を殺した。

「私」は揺りかごのように平穏な「私の世界」を壊した。

「私」は揺りかごのように平和な日々を過ごしていた「私」を殺した。


全てを壊した私に待っているのは冷たい部屋だろう。大丈夫、逃げたりしない。

罪の十字架もちゃんと背負うから・・・だから・・・


誰か気づいて・・・警察を呼んで・・・




この話に感想などはいりません。

正夢になったら嫌だという理由で書いただけなので・・・

悪夢をベースにしてますが、前半のほんの一部だけです。

あとは思いつくままに書いたので変な部分があるかも・・・


ただのゆめだったとしても

すぷらったもしゅっけつもかんべんしてください・・・


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