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無限の火花の世界  作者: Rocky Pancakes
第1章:目を開きはじめて」
3/11

エピソード3: 奇跡

ハーリンが成長するにつれ、家族の笑顔はますます輝きを増していった。外の人が何を言おうと、彼らにとってこれは人生で最も大切な出来事なのだ。

一方その頃、メリルは夕食の準備をするため、庭で野菜を摘んでいた。

そのとき、ハーリンがいつの間にか家を抜け出し、母のほうへとハイハイで向かっていた。


ちょうどその頃、聞き慣れたヘイルの声が帰ってきた。


「ただいまー!」


メリルは振り返り、額の汗をぬぐって道具を置くと、彼を迎えに歩み寄った。

だが――


夫の体にはまた新しい傷。

シャツもあちこち破れている。


メリルは思わず怒鳴った。


「今日も洞窟に入ったの!? 」


ヘイルは気まずそうに笑いながら答えた。


「心配いらねぇよ。こんなの数日で塞がる。」


メリルはため息をつくと、片手を上げて詠唱を始めた。


「欠けたものを赦し、失ったものを戻し、

 我が身を分け与え、その過ちを繕え……」


治癒が進む中、ヘイルはふと視界の端で何か小さく動くものに気づいた。


――ハーリンだ。

嬉しそうに、こちらへ向かってハイハイしている!


「おっ? 今日は小さな天使がお出迎えか?」


その声に反応して、メリルも素早く振り返った。

娘がゆっくりと外に出てきているのを見て、目を丸くする。


「ハーリン! どうしてこんなところに!? ほら、もう服が泥だらけじゃない!」


迎えに行こうとしたその瞬間――

思いもしないことが起きた。


ハーリンが小さな手を地面につき、

ぐっと体を押し上げて――


ふらふらと、小さな足で立ち上がったのだ。


その光景に、夫婦は声も出ないほど驚いた。

だが次の瞬間には、2人揃って大声で応援を始める。


「がんばれ、ハーリン!」

「こっちだよ、ハーリン!」

「そのまま来るんだ!」


近所の人たちはため息をつきながら通り過ぎていった。


(この家族、もう一年ずっとこんな調子だな……)


ハーリンの一歩一歩に、2人は息を呑み、体を乗り出して見守る。


やがて――

ゆっくり、確かに、2人のもとへ歩き切った。


メリルは歓声を上げ、飛び跳ねて喜んだ。

ちょうど通りかかった老人を見つけると、手を振りながら叫ぶ。


「見た!? 今の見た!? あれが私のハーリンよ! うちの子よ!!」


老人は驚きのあまり全力で逃げ去っていった。


ヘイルはハーリンを抱き上げ、高く掲げてぐるりと回す。


「よし! これぞグランダル家の娘だ!!」

— 著者より —

エピソード3を読んでくださってありがとうございます!

皆さんと同じくらい、私も驚いています!

次はハーリンがどんなことをしてくれるのか、楽しみですね。

ぜひ、あなたのご感想をお聞かせください!

毎週2つの新しい章が公開されます!

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