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無限の火花の世界  作者: Rocky Pancakes
第2章:ママ……?パパ……?
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間章:魔法の火花

広大な草原。

風に揺れて、草が静かにささやいている。


小さな墓標がひとつ、ぽつんと立っていた。

その足元には、ケーキやキャンディ、色とりどりの風車が供えられている。


だが――

風が吹いているにもかかわらず、

風車は回らなかった。


……


一人の女性が、墓の前に膝をついていた。


その表情は、どこか遠くを見つめている。

黄金色の長い髪が、そっと頬の周りで揺れる。


……


彼女は歯を食いしばった。


顔が歪み――

そして、崩れ落ちる。


「……ごめんなさい……」


小さな墓標にしがみつき、涙が止めどなく零れ落ちる。


「約束を……守れなかった……本当に、ごめんなさい……」


声が震れ、

答えを返すはずのない石に、腕を回した。


「もう……耐えられない……

どうか……許して……」


震える手で、

彼女は何度も、何度も墓標の表面を撫でた。


「ハイマー……あなたは、本当に勇敢だったわ……」


涙に濡れたまま、かろうじて笑顔を作る。


「ママよりも……ずっと……」


「一滴も……涙を流さなかった……」


「それどころか……ママに……笑顔まで……」


その笑みが、崩れ落ちる。


「……息子……どうして……こんなに早く逝ってしまったの……!」


墓標にすがりつき、嗚咽が抑えられない。


「行かないで……」


「もう……耐えられない……!」


彼女の叫びは、墓地一帯に虚しく響いた。


……


鼻をすする音。


彼女は、供えられた食事の皿へと視線を向けた。

指先が、縁にそっと触れる。


「……あなたの……大好物よ」


涙越しに、かすかな笑みを浮かべて。


「ママが……心を込めて……作ったの」


声が揺れる。


「ただ……」


「……もう一度だけ……

ハイマーと……一緒に……食事がしたかった……」


風車が――

わずかに、揺れた。


くるりと、少しだけ回る。


そして、止まった。


彼女は凍りついた。


地面に崩れ落ち、

大切なものを見つけた子どものように、頬を土に押し当てる。


「……ハイマー……?」


「……そこに……いるの……?」


風車が、再び回る。


ほんの、少し。


彼女の目が見開かれ――

そして、ゆっくりと和らいだ。


「……ハイマー……」


「ママも……すぐ……行くからね……」

更新日を「金・日」に変更します。

今後もよろしくお願いします。

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