山頂食堂での会話
黒部山で水を飲み、また山を下って、また登る。
まるでエレベーターだ。
だが、そうしているうちに、カイはオフロード路面の走り方のコツを掴み、そうなると、山を走るのが楽しくなってきた。
そうしているうちに、昼になったので、昼飯に行く。
ロープウェイの山頂駅のレストハウスに入る。
飯盒と米を持って来た神梅は、カブのマルシン出前機からそれを引っ張り出し、カイが米を研いで、大間々が米を炊く。
他のメンツが、売店で登山用のレトルト食品を買ってきて、それをおかずにする。
「楽しいな。みんなでこうして走るのって。」
と、カイはつぶやく。
「なっ!面白れぇだろ!」
大間々も言う。
「だからさ、今度筑波サーキット行くなら、筑波山まで行こうぜ。」
黒保根が根利に提案。
「そうだねぇ。冬休みか、連休にでもいこうか。高速乗れないから、50号とか経由して、下道延々だけど、ツインリンクもてぎまで行く?泊りになるけど。」
根利が言ったのに、
「おお!それおもしろそう!」
と真っ先にカイが食いついた。
ツインリンクもてぎの事は知っている。栃木県にある、国際サーキット。
遊園地やキャンプ場もある。それならば、そこでキャンプ泊もおもしろいだろう。
「或いはさ、バイク好きなら来年の夏、あそこ行かねえか?」
カイが提案する。
「まっまさか、8耐で鈴鹿!?」
根利がひっくり返った。
「鈴鹿ってお前-」
大間々もあんぐり。
いや、皆がドン引きしている。
「あっ―。」
カイ、(しまった)と思う。
浜松に住んでいた時は、伊勢湾を渡ったらもう鈴鹿だったので、8耐を見に行ったこともあったカイ。
おまけに、浜松からここまで一人、下道で、ハンターカブでやってきたため、カイは気軽に鈴鹿へ行けると思ったのだが、ここから鈴鹿へ行くのは大変だ。
「でも、どこか遠くへ行きたいね。」
と、根利は言った。
それには皆、頷く。
なので、カイは安心した。




