もう一つの登山口
いよいよ土曜日。
だが、それまでの間に郵便ボックスは見つからなかった。
集合場所。
そこは三宅本町駅だった。
そして、またもカイが一番乗りで来てしまった。
なので、駅の操車場を眺める。
貨車や客車を入換しているDD13が、構内を行ったり来たりしている。
黄緑色のセメントタンク車、タキ1900が、高崎機関区のDD51に牽引されてやって来たと同時に、うるさいエンジン音を轟かせて、根利のHRC CB250Rと、大間々のカワサキKLX250、黒保根のCRF250Lがやって来た。
神梅のスーパーカブ50と、相生のヤマハYZ250FXは、駅向こうのスタンドで給油しているのが見えていた。
そこには、貨物列車の引き込み線が2本入って来ていて、片方は三宅町鉄道の列車の燃料、もう片方は、スタンドに石油を下ろすためのタンク車が入っている。
給油を終えたスーパーカブ50と、YZ250FXもやって来た。
「じゃあ行こうか!」
と、根利が言うと、今日は大間々のカワサキKLX250が先頭で走り出す。
すると、黒保根が「行け」とカイにサインを送った。
カイ、戸惑いながら、大間々の後ろに付く。
しばらくは、町の中を走る。
途中、バス停を通り過ぎ、少し行くと、ロープウェイ乗り場があって、そこに、日野リエッセが止まっていた。
そして、ロープウェイ乗り場の横に、砂利道があって、そこにはバイク通行可の標識。
(まさか―。)
と、カイは思う。
その道は、先日の登山道とは違い、砂利道だが走りやすい。
(そういうことか。)
と、カイは溜息をついた。
どうやら、先日の登山で、カイはそもそも、登り口を間違えて、かなりハードなコースから登ってしまったのだ。要するに、カイの下見不足だ。
「俺も、お前と同じミスを犯した。走る前に、事前チェックは大切だよ!」
と、大間々もかつて、同じミスを犯した事を暴露した。
そして、その上を、ロープウェイが通過していった。




