チューニング
間に合わせで、タンデムシートとステップを付けたハンターカブは、郵便ボックスを付けていた時よりも身軽になったように感じる。
しかし、今までは学生鞄やちょっとした小道具を郵便ボックスに入れていたのに、それが無い。
なので、カイは修学旅行用のリュックに学生鞄の中に入れていた物と、僅かな小道具を入れ、美奈川渓谷を抜けて高校へ向かう。
アカネは列車で通学する。
渓谷の中の踏切。
ここで、アカネの乗る列車と出会い、踏切を渡ると、カイは列車と並走する。
DD51が牽引する客車列車。
その車内から、見覚えのある顔が覗いていた。
アカネだ。
カイもそれに気付いたが、どうリアクションすればいいのか分からず、ただ走る。
高校に着くと、根利や大間々と出くわした。
「おおっ!ヨシムラのフルエキゾーストマフラー!」
と、根利が目を輝かせる。
「根利も、タイヤ新しくしたらしいね。」
カイが言うと、
「おお!分かる?」
と、根利はHRC CBR250Rのタイヤを叩く。
「神梅は面白いよ。」
大間々が言うと同時に、神梅のスーパーカブ50がやって来た。
その後ろには、マルシン出前機が付いていた。
「土曜に向けて、マルシン付けた。みんなの弁当これに入れる。」
神梅は元からマルシンを所持していて、どこか遠出したり、皆で出かける時にはマルシンを装着している。
先日の筑波サーキット遠征時は、根利の世話になっているショップのトラックが居たので、装着はしなかったのだが。
「早く、郵便ボックスを何とかして、並べたいな。郵便屋さんと、お蕎麦屋さん。」
などと、神梅が言った。
「ああ、あの、えっと、二ノ山だけど―。本当にスーパーカブで登れるの?俺が下手くそなだけかもしれないけど―。」
「それなら、その、土曜日に教えるよ。」
と、根利は言った。
「でも、初めてのヒルクライムで、白上宮ノ下登山道から登ったのは凄い事だってことは、間違ってないよ。」
と、大間々。
大間々もカイと同じ過ちをしたのだが、それはまたおいおい。




