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三宅町の赤いカブ  作者: Elena
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試運転

 放課後、カイは三宅本町駅から列車に揺られる。

 白上方面へ行く列車に乗る大抵の奴等は駄弁ってから帰る。

 駅から歩いて10分~15分の学校だが、帰りのホームルームの時間が最近になって少し伸びた上、変な全校集会をやる事もあり、今まで余裕で間に合った帰りの列車に乗れるかどうかギリギリの状態になってしまったためだ。

 今日のカイは、単発バイトも無いので遊べるのだが、遊びもしないし、駄弁りもしない。ホームルームが終わると、教室を一目散に飛び出し、駅まで全力疾走。

 その、ギリギリの列車に乗って、少しでも早く、ハンターカブを修理したいからだ。

 幸いにも、浜松時代にオートレース養成所入所に備えて自主的に体力作りもしていたため、体力には自信がある。

(イチ、ニ、サン、シー!)

 と、心の中で言いながら走る。

 駅に突入すると、往復切符を駅員に見せて改札を抜け、JR線から乗り入れて来たキハ110系が三宅町鉄道のキハ40系と連結した列車。

 カイが飛び乗ったが、まだ発車ベルが鳴るまで30秒近くあった。

(ふーっ。)

 と、キハ110系の2人掛けボックスシートに座ると、発車ベルが鳴り始めた。

 カイは昼の残りの水筒のお茶を飲むと、同じボックスシートに「ドカン」と飛び込むように誰かが座ったので驚いた。

「はーっ。はーっ。まったく。なんなんだろうね。1年の時はそうでも無かったのに、どうして最近はホームルームを無駄に長く伸ばしたんだろ―。」

 と、言う声。

「高崎に行く奴は良いとして、三宅町鉄道沿線の事考えろっての。高崎から通ってる奴の親が文句でも言ったのかな。無駄に長くしなくても、十分余裕だったのにさぁ。」

 それは、アカネだった。

「なんだ?」

「修理の手伝い、しようと思って。」

「そうか。でも―」

 と言いかけたカイだが、一瞬、気が変わった。

「ならさ―。」

 カイは何をして欲しいかだけ言った。

 それに、アカネは頷いた。

 小熊駅に到着すると、赤金の家まで行き、着替えてすぐに修理。

 公道を走るのに必要な物を付けるだけなので、小一時間で終わった修理。

 だが、やはり郵便ボックスは無い。

 代わりに付いているのは、二人乗り用のリアシートとステップ。

 カイはまず、敷地内を軽く走った後で、アカネをそこに乗せて二人乗りだ。

 特に他意は無い。

 ただ、郵便ボックスの代わりの重りとして、アカネを使っただけ。

 ヘルメットを持っていないアカネを乗せて公道を走るわけにも行かず、敷地内だけだが、それでも、満足のいく仕上がり。

 これで、明日からはバイクで通える。

 カイは「よし!」と言った。

 だが、アカネは二人乗りの後から、身体が火照るように感じていた。


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