作戦
「作戦通りかね?」
と、美月。
「ええ。」
「しかし、大胆だな。水を全部捨ててしまうとは。それで、カイのバイクで汲みに行かせる。だがな、アカネの楽しみでもあるのだぞ。二ノ山登山は。」
「人と人は、喧嘩して仲直りすると、仲良くなる傾向がある。」
タキは言った。
「それで、カイが登る可能性は?」
「登るような兆しはあった。だから、少し煽ってみたよ。」
美月はそれを聞いて「どうなることか」と笑った。
「どうやら、さっそく準備しているようだ。」
タキは外のCT125に何かをしているカイの姿を横目に見て言った。
カイはタイヤのチェックとオイルチェックをしていた。
その後、何かを考えてドタバタと何かを探しては、「あれでもない」と考えて、使えるものは無いかとまたドタバタしている。
「明日はタキも一度、こちらに来るのだろう?アカネも委員会の活動の後、こちらに寄って帰る事になっている。奴が、自分のせいで水が切れた、どうしてくれるとアカネに言われたと解釈したのなら―」
「登るには好条件だ。」
と、タキは言った。
件のカイは、二ノ山の下見を兼ねて、アカネの水を汲みに行こうという軽い考えで、明日の放課後、二ノ山を登るつもりだった。
(えーっと、神梅のカブでも上がれるって言うから、そんな派手な装備は要らないだろう。でも、オフロードだろうからな。ズッコケる可能性も高い。だとしたら、ポリタン1つをむき出しにボックスに入れるのは危ないな。せめて、タオルで包むか、出来れば、スポンジ欲しいけどそんなの無いよなぁ。)
と、カイは考えながら、手持ちの物をかき集めて準備を進めていたが、気が付いたら夜遅くなり、課題がまだ済んでいない事に気付いて大慌てで課題を片付けた。結果、睡眠時間は4時間未満という状態になってしまった。




