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三宅町の赤いカブ  作者: Elena
18/55

筑波サーキット遠征計画

 赤金の家に帰宅すると、まだアカネは帰ってなかった。

 家令のタキが夕食を作っていた。

「ただいまです。って、あれ?」

 夕食は4人分用意していた。

「来客ですか?」

「やれやれ。この家の主の事を忘れるとは。」

 タキが苦笑いしながら言った。

「あっあぁ。アカネのお母様!今日はこちらに来られるのですね。」

「週に一度程度しか帰れないからね。今日、君に会うのを楽しみにしているよ。だから、その学生服を着替えて、身なりを整えたまえ。」

「はっはい!」

 ドタバタと慌てながら言うカイに、「ゆっくりでいいよ」とタキは言った。

 自分の部屋でカイは、制服から私服に着替えながら、ノートパソコンを開き、先ほど撮影した、DD51の動画をパソコンに移す。着替え終わると同時に、編集作業。そして、それをスマホに読み込ませる。

(明日、あいつらに見せて、話のタネになるかな。)

 と思う。ディーゼル機関車の撮影をするなんて、やはり一時期の鉄道好きの名残が残っているのだろうか。

 編集を終えて、スマホをパソコンから外したと同時に、スマホに連絡。

 アカネ程ではないが、ほったらかすと面倒臭そうなアクセル全開娘からのLINE通話だった。

「もしもしもしもしぃ?」

 と、ジブリアニメに出てくる将軍の喋り方をする根利。

 だが、肝心なジブリアニメを見ていなかったカイ。

「なんだよ。」と、普通に返してしまったため、

「つまらない奴!」

 と言われてしまった。

「筑波サーキット行くとき、どう行くかの話。」

「えっ?どう行くか?」

「そう。みんなで一緒に行きたいじゃん?まさか、単独で行くつもりだったの?」

 まさかも何も、今まで単独で生きていたため、最近は偶に走りに行くようになったものの、未だ、友達と一緒にツーリングするという概念が皆無に等しい。

「まぁ、そのつもりだった―」

「せっかくなんだし、みんなで行くんだよ!」

 と、根利は相変わらずアクセル全開で話す。

「まぁ、ここから筑波サーキットへ行く方法は分からないし―。」

 等と理由をこじ付けながら、

「一緒に行く。」 

 と、カイは言った。

「なっらぁ、話は決まりね。」

 根利は言った。相変わらずのアクセル全開口調で。

 電話が切れた。

(本当は、今行くと、オートレース養成所の様子を見られないし、見たら、嫌になっちまいそうだから、行きたくないんだよなぁ。)

 と、カイは溜め息を吐きながら、三宅町から筑波サーキットへの行き方を調べ始めたのだが。

「主を放置とは、いただけないねぇ。」

 と、テレビ電話で聞いた声に振り向く。

 長い髪に眼鏡を掛けた、いかにもインテリ系と言うべき女性が、部屋の扉に体を預けて立っていた。

「あっ、えっと―。初めまして!水沼カイです!えっと、その、気付かなくて申し訳ございません!」


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