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真冬の川で
小さい頃、同級生の女の子と川で遊んだことがあった。
とても冷たい、真冬の川で。
そこで遊びたいと言い出したのは自分だ。
冷水に浸かりっぱなしで、手足はうまく動かなくなっていく。女の子は水の流れに足を取られ、溺れた。
必死に助けを求めていたのに、それに気が付けなかった。それだけでなく、巻き込んでおいて先に自分だけ家に帰ってしまった。寒くて寒くて仕方がなかったからだ。
その日の夜、女の子が帰ってきていないという話を親から聞いた。特に気にしてはいなかった。
その後、川の下流の方でその子は見つかった。
その話を聞いたとき初めて、あのとき助けを求めていたことを悟った。
女の子が溺れた川は確かに、あの街灯の下だった。
あの年の夏、約束をしていた。
「絶対に遠くにいって離れたりしない、ずっと一緒にいる」