塾は嫌だ!!
中学2年の3月… 僕は学生史上最大の危機に陥っていた……
「ギャアァァァァ!! 嫌だ!! 嫌だぁぁぁぁ!! 行きたくない!! 行きたくなぁぁぁぁぁい!!」
「もうコラ!! はると!! いい加減にしなさい!! ちゃんと中学2年の2月の期末テストまで待ってあげたでしょ!! もう決めた事なんだから腹を括りなさい!!」
「母さん…母さん!! 頼むよ!! 中学3年の中間テストまで待ってよ!! 必ずそこで良い点取るから…だから今回は見逃してよ!!」
「いいえ、聞きません……もう貴方のそのセリフは聞き飽きました 貴方…この間の12月のテストの時も言ってたわよね? 次の期末は必ず良い点取るって… それで前回のテストも同じ様な事言ってて、その前も…またまたその前も…同じ様な事言ってたわよね?」
「それでも嫌だよ!! 塾は絶対に嫌だ!!」
そう僕…坂田はるとは、中学2年の3月塾に通わされそうになっていた…
理由は簡単だ…僕がアホの部類に入るからだ……
それはテストの点数を見ても分かるし、学年順位を見ても、ビリから2つしか変わらない程の順位を取っていた…
中学1年生の時は、まだ何とか勉強には、ついていけたものの中学2年生からは段々と勉強が難しくなり、ついていけなくなった……
僕の母さんも最初は、次、頑張りなさい…と言ってくれるだけだったが、僕が連続、テストで低い点数を取り続けるものだから、塾に入塾させようと考えるようになった…
僕は、そんな母さんに何とか塾だけは勘弁してくれ!!…と次のテストは点数を上げて見せるから!!と言って何とか入塾させられる事は免れていた……
だが遂にそれも限界を超えた様で… 母さんは僕を塾に入れさせようと今回は必死になっていた…
「聞きなさい…はると… 私も貴方が嫌がる様な事はしたくない……でもね…こればかりは、しょうがない事なの!! 貴方の将来に関わる事なの!! 今の時代…高校を卒業しておかないと…中々働かせて貰えないのよ… そうなると苦労する…お金も稼げず、水も飲めず…ご飯も食べれない…やりたい事もできない…そう言う干からびた人生を送る事になるわ…そうなるのは嫌でしょう?」
「母さん…うん……母さんの言いたい事はわかる……でも….塾だけはゼッッッタイに嫌だぁぁぁぁ!!」
「もう….何でなのよ!!」
そりゃ….嫌でしょう!! だって塾だよ? 何で学校で勉強した後で、わざわざ塾に行ってもう一回勉強しなきゃならないんだよ!?
「もう勝手に言ってなさい!! でも、お母さん…もう塾に今月の分のお金、もう支払ったからね!!」
「え…?」
「塾に入会手続きして今日から行く事になったからね…ほら早く準備して!!」
「え…ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
…な….何てこった…確かに….僕の母さんは少し強引な所はあったけれど…ここまで来るとは…
結局…僕は無理矢理、塾に通わされる事になり、母さんに連れられて、この塾に来てしまった訳だ…
聞いた所によると、この塾…集団で授業をやって行くそうで、初級コース、中級コース、上級コースとクラスを分けるらしく、成績が良かろうが、悪かろうが、最初に塾に入ってきた人は、初級コースに配属されるみたいだ…
そこから塾での様子を見てコースが上がったりしてクラス替えが行われるみたいだが……
もちろん、僕は今、初級コースの教室で席に座って待っているのだが…
みんな…授業が始まるまで隣の席の人達と喋ったりしてて…僕めっちゃ気まずい…
まぁ…何か読めたけど…そうなるよな…塾でも皆、友達とか作るよな〜
でも僕、今日塾に入ってきたばっかりだから、友達いない!! 学校でも、そんな友達いないけど…
話掛ければ良いのかも知れないが、コミュ障の為、そんな事も出来ずに、どうしようか困っていると…
「ねぇねぇ、君の隣あいてるかな?」
突然、美女が僕に話しかけてきた…
美女はスタイルが良く、艶やかな長い黒髪をストレートに下ろしており、顔は清楚系でモデルさん見たいだった…
さらに、今回は私服で塾に来た見たいで、服装を見てみるとお洒落で、何だか大人の雰囲気があった…クールな美女だと感じられる…この人…僕と同い年だよな?
「あ…ごめん…驚いちゃった?」
「あ…いえいえ!! そんな事は!! どうぞ、どうぞ!!」
「フフ…なら遠慮なく座らせて貰うね?」
お…お〜何てこった!! こんな美女が僕の隣に座ってくれるなんて……何て奇跡だ!!
この塾に入って良かったのかも知れない…
「君、この塾に入ったの今日が初めて?」
うおっ!! 美女が話しかけてきた…!!
「は…はい!! そ…そうです!!」
「良かった〜仲間がいてくれて! 私も今日が初めてなの でも他の人皆、友達がいるみたいで、その友達と喋ってるから話しかけにくくて… でも君、誰とも喋ってない見たいだったから、喋りかけて見たの…」
「やっぱり、人に話しかけるのって勇気いりますよね〜」
「そうなの!! でも君、何か優しそうな感じしたから、話しかけやすかったな〜」
「あ…ありがとうございます…」
うお〜!! 美女に優しそうって褒められた!!! この塾に入って良かった!! ありがとう!! お母さん!!!
ん?そういえば…
「あ…そういや名前聞いてませんでした… お名前教えて貰っても良いですか?」
「ん? あ〜そっか、やっぱり覚えて無いか〜」
「え?」
なんだろう…今何か行ったよな? 何て行ったかは聞こえなかったけど…まぁ…良いや…
「ううん 何でもない….ごめんね 名前だったよね? 私の名前は黒崎玲奈って言うの 君の名前は?」
「わかりました。黒崎さんですね、僕の名前は坂田はるとって言います!!」
「わかった! 坂田君って呼ぶね? それと坂田君、私達、同い年だよね? タメで喋ろうよ」
「あっ!はい…わかりました!! じゃなくてわかった!!」
「フフッ…坂田君、面白〜い!! これからよろしくね? 坂田君 これからの受験勉強とか、頑張ろうね?」
「よ…よろしく…」
こうして、僕の塾生活が始まる… 美女と喋るの緊張する〜!!