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お母様がかわいすぎる。

ブックマーク、評価ありがとうございます(T ^ T)

まだまだよろしくお願いします!!

「リリ、さっそくなんだけどね協力してほしい事があるの」

「協力してほしい事……ですか?」

「そう。ティーガン家と私の将来のためにとっても大事なことなのよ!」


 ーーリリ、あなたには全力で協力してもらいます!

 ふんす。見た目だけは可愛いイベリア、罪な4歳児とはこのこと。


 ****


 私はリリにアシェル王子との婚約を回避したいこと、女騎士になりたいことを話した。理由は、なぜなら私が乙女ゲームの悪役令嬢に転生したからですとは正直に言える訳が無いので、「前に見かけた騎士様がとってもかっこよかったの」と適当に言い訳をする。リリは少し納得していないような顔をしていたが、気づいていないフリをして話を続ける。



「それでね、その為にお父様にも協力をして頂きたいのだけれどその…我が家は仲が悪いでしょう?」

「それは、」

「だからね、リリには家族仲修復の協力をしてもらいたいの!」

「お嬢様…!そのお歳でなんて偉いのでしょう。この私で良ければ公爵家、いやお嬢様の為に全力で協力させて頂きます」


 リリの中での私がどんどん美化されていってる気がしないでもないけど問題ない、よね?むしろ褒めてもらえるのは嬉しいし。おっといけない、顔が緩んじゃう。賢者モードよ私!


「具体的には私は何をすれば良いのでしょうか?」

「リリにはまずお母様に会うのに付き合って欲しいの」

「奥様、ですか。お会いになれるか不安ですね」


 そこなんだよね。お母様はお父様が別の人を愛してると勘違いしてショックを受けてからお父様はもちろんお兄様や私にもあまり会わずにずっと部屋に篭っている。

 まずどうしてそんな勘違いをしたのか、簡単に言うとお父様の態度が主な原因。お仕事が忙しくてあまり屋敷に帰宅せず、会う度に態度が素っ気なくなるのでお母様は外に愛人ができて、もう自分の事なんて愛していないのでは、と勝手に明後日の方向に勘違いしてしまったのだ。

 実際はお父様は結婚してから会う度に綺麗になるお母様に照れて素っ気なくなってしまっているだけなのだけど。お父様(うぶ)ですか?かわいすぎる……


 でもやっぱりこの態度はいけないわよね。私はゲームでの記憶があるから分かるけど、お母様はそれを知らない。二人は圧倒的に意思疎通が足りないと思う、あなた達何年夫婦やってるんですかと言いたくなるのも仕方ない。両思いなのに言葉が足りなくてすれ違いするなんて、今どき高校生でもそんなのは漫画の中くらいなもんでしょ。


 こんな感じですれ違っている二人はどんどん拗れていって、現在の状況になる。

 二人を会わせるにはお母様にお部屋から出てきてもらわなくてはならない。これが今回の私の役目だ…と思っている。それに、お母様に会って私も仲良くなれたらいいなっても思う。イベリアは中身は違くても4歳なのだ、やっぱり親の愛は必要だよね!


 私はお母様に会うべく、広い屋敷の一室を目指してリリと部屋を出た。


 てくてくてく。まだ歩き方にぎこちなさが残っている、歩きずらい。


「お嬢様、リリが抱っこいたしましょうか?」

「…うん」


 ーー・・・誘惑に負けた。中身が16歳のイベリアとしてはかなり恥ずかしい。周りはそんな事を知らないから普通に抱っこされている4歳児にしか見えないだろうけど、それとこれは別!!

 でも楽だなあ抱っこ、眠くなりそう。4歳児の本能が出てきてしまう、うぅ。


 長い長い廊下を歩いているとー詳しくは抱っこだけどー綺麗な庭園が横に見えた。


 うわあ、こんな広い庭園前世でも見たことないや。

 じっと庭園を眺めていると、一人の少年が居るのに気づく。イベリアと同じ銀髪に冷たい印象を持たせる綺麗なアイスブルーの瞳、身長はイベリアより少し高いくらいかな。

 グレン・ティーガン、記憶を思い出す前もあまり会っていなかったイベリアの兄。

 今度、お兄様にも話しかけてみよう。前世の私には兄弟が居なかったため、仲の良い兄弟を見かけるたびに憧れていた。そんな昔のことじゃないはずなのに、とても昔の事の様に感じる……不思議だなあ。これも『イベリア』と『私』が混ざったからなのかな。


 そんな事を考えているうちにお母様の部屋に着いた。


「はぁあ〜ふぅ」


 深呼吸してから扉を叩く。コンコン。


「お母様、イベリアです。お部屋にお邪魔してもよろしいでしょうか?」


 話しかけると、扉があいて中からメイドがでてきた。


「奥様は今お部屋でお休みですので、お会いになることはできません」


 やはりそうくるか、でもこちらもこれくらいは想定済みである。そんな簡単に引き下がりはしない、粘りずよく頼んでみる。


「少しでいいの、お話できないかしら?」

「……ですから、」

「イベリア?」


 部屋の奥から鈴のような可愛らしい声がした。私の名前を読んだその女性はビオラ・ティーガン、イベリアのお母様だ。私の前に立ち塞がっていたメイドは軽く礼をして「少しお待ちください」と言ってから中に戻って行く。


「イベリアが来ているの?珍しいのね、何か用かしら?」

「はい、奥様と話がなさりたいと。ですが、奥様はお休みなさっておられましたので一度も帰って頂こうと…」

「……いいの、大丈夫だから、イベリアを通してあげてちょうだい」

「かしこまりました」


 少ししてからメイドが戻ってきた。


「奥様がお会いになれるようですので、こちらにお入り下さいお嬢様」

「え、ええ」

 あっさりとお母様に会えるようでなにより、簡単すぎてちょっと拍子抜けしちゃうけど。色々凄いこと考えてたのに…残念……何を、とは聞かないお約束。


 メイドに連れられるまま奥に進むとベッドで待つお母様がいた。金糸のような美しい髪に紺瑠璃の瞳、華奢な姿をしていて、とても綺麗だった。お母様ゆずりだったのね、この瞳。


「お母様」

 私が話しかけると、お母様は少し戸惑ったように微笑んでから応えた。

「久しぶりね、イベリア。今日は話しがあって来たのでしょう?どうしたの?」

「あの、一緒に庭園をお散歩しながら話しませんか?」


 いくら若いと言ってもずっと部屋にいては体に悪いし、それに話をするなら部屋の中よりも外の方がいいだろう。ここに来る時に通った庭園の花もちょうど見頃でとても綺麗だったからお母様と一緒に見てみたかった。


「庭園?」

「はい、花がとても綺麗だったのです。…一緒に、行きませんか?」

 少し不安がちになって聞いた。

「……たまには、いいかも知れないわね」

 安心させるように言ってくれたお母様のその声はとても優しかった。


********


場所は変わって現在はお母様と庭園を歩いている。

庭園の花は色とりどりだけど、しっかり管理されていて見事な風景を作り出していた。んー、でもちょっと物足りないような、今度庭師にも会いに行ってみましょうか!


お母様はゆっくりと庭園を見ながら歩いていた。ただ歩いているだけなのにあの優雅はどうやってやるのか、教えてもらいたいものである。


「お母様、こっちに薔薇が咲いています!!」

「あら、ほんと!とても綺麗ね」


二人でしばらく、庭園を見て周り、何かを見つける度に私がお母様に話しかけ、お母様が微笑んでくれる、と散歩は割と成功した。お母様ともだいぶ話せる様になってきた頃、私はいよいよ本題を切り出す。



「お母様、なぜお父様とお兄様、私を避けてお部屋にずっといるのですか?」

「…今日はそれを話にきたの?」

「はい、私は家族は仲良くいるべきだと思うのです!」


はっ、としたようにお母様が息を飲み、下を向く。まだ小さいあなたにこんな事を言わせてしまってごめんなさい、と小さく言ったのが聞こえた。

そして気まずそうに話始めた。


「私と旦那様…お父様はね、前はとっても仲良しだったのよ、でも2年前くらいから急に態度が素っ気なくなってしまって、何かしてしまったと思ったけど心当たりは無くて……それに中々帰宅なさらないから、外に愛人を作ってもう私のことは愛していらっしゃらないのよきっと。だから、会うのが怖くなってしまって……避けているうちにあなた達にもどう接していいか分からなくなったの、寂しい思いをさせていたのは分かっていたのごめんないね」


お母様はとても苦しそうに悲しそうな表情をした。

でも、会うのが怖くて避けてたってことは嫌ってはいないのよね?


「お母様はお父様の事が嫌いなわけではないのですか?」

「それはないわ!あの人はずっと私の愛する人よ。それはずっと……変わらないの」


恥ずかしいのか少し照れたように頬を朱に染めたお母様は恋する乙女そのもの。子持ちとは思えない可愛さだ。 ーー・・・お母様、可愛すぎませんか。

これはお父様が照れてしまうのも少し分かるかも…かと言って、あの態度で良い訳じゃないけど。

やっぱり二人はものすごく不毛なすれ違いをしてるんだわ!早く誤解をとかなきゃね!!私は今から二人のキューピットになるのよ☆



「お母様!今日、お父様が帰っていらっしゃったら二人でお話をしましょう?お二人は意思疎通が足りないのです!!」

「え、でもそれは…」

「とにかく!話せばきっとわかります!私も手伝います。だから、話にいきましょう、お母様」


ぴんっと指を向けて勢いよく力説。可愛く困っても駄目なものはダメ。お母様には今日、お父様としっかり話し合ってもらわなくては!


「わかったわよぅ」


私の様子から逃げられないと思ったのか、諦めたように返事をしたお母様。可愛いかわいい、かわいすぎる。是非とも写真を撮りたい、写真。この世界にカメラがないのが残念でならない。ベストショットを逃すなんて……しゅん。


「イベリア?どうかした?」

「いえ、なんでもないです!とりあえず、お父様が帰ってくるまでは一緒にお散歩の続きをしていましょう?」

「そうね、私もイベリアとまだ一緒にいたいわ」


くぅ……かわええ。

さっきから可愛いばっかり思ってる気がする、語彙力すら奪う美形の破壊力は4歳児には耐えられないわ…

たったこれだけで寿命が3年は縮んだ気がする、ちょろいな私。この世界はとにかく美形が多いのだ、早く美形耐性をつけないと萌え死にしてしまう。恐ろしい世界だ。それだけは避けなければ、さすがに恥ずかしい。救たまえ南無阿弥陀仏。心の中でそっと手を合わせておく。










感想してくれると、、嬉しいです。


まだ、女騎士要素ゼロ。後から必ずフラグは回収します!まだもうちょっとお待ちを!、


それから名前が色々出てきて、混乱する事があるかも知れないので、後ほど登場人物をまとめたものを投稿します。

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