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BADENDなんてまっぴらごめんよ。

一度投稿してから再投稿しました。

内容がだいぶ……かなり変わりましたのでご注意下さい!

 さてと!

 女騎士になると決めたからにはまずフラグ回避の為の情報が大事よね。未来の事がわかってたら回避だって楽なはずよ!!前世の記憶はフル活用しなきゃもったいない。情報は宝!そして前世オタクな私偉い。



「ん~、まずはわかってること整理しましょう」


 ************


「ロセ恋」はセオドア帝国という広い国土をもつ大国で始まる。そして王侯貴族が通うロザリオ学園を舞台に本格的なストーリーが動き始めるのだ。


「ロセ恋」の攻略対象は、王子、公爵子息、騎士、魔法使い、学園の教師、義弟の6人いる。


 第一王子アシェル・セオドア・アルデバートは攻略対象の一人であり、メイン攻略者だ。そしてーーイベリアの婚約者となる人物である。


 アシェル王子は我儘放題で顔を合わせれば媚びるような態度を見せる自分の婚約者にいい感情はもっておらず、最低限度の接触で済ませていた。


 そしてロザリオ学園入学時にヒロインーーメイベル・カーソンと出会いその天真爛漫な性格に惹かれていくのだ。ー・・・イベリアと婚約したまま。


 当然イベリアはメイベルに嫉妬し学園で様々ないじめをする。「身の程知らず」と罵り、王子から引き離そうとしていた。


 そして2年後。卒業パーティーの時に隣にメイベルを連れた王子とその側近たちにより大勢の人の前で断罪され婚約破棄をされるのだ。しかも、身に覚えのない罪まで着せられて。


 もちろんイベリアは身に覚えのない事は否定するが、誰も我儘放題な悪役令嬢の言葉なんて信じてくれない。


 その後のイベリアどのルートでもBADENDばかりで、よくて国外追放、悪いと処刑である。ーー国外追放だって世間知らずの公爵令嬢だけでは生きることなんてできる訳がなく最後は一人で死ぬだけなのだ。


 そしてその悪役令嬢ことイベリア・ティーガンが私の事だ。


 ************


「…………最悪」


 両親も仲の良い友達もおらず、味方なんて当然一人もいない。最後はBADENDばかり。そんな悲惨な人生を送らないといけないなんてまっぴらごめんよ!!


 ゲームが始まる学園入学まであと十二年。この瞬間から何としてでも最初の死亡フラグは回避が目標となった。


 そのための人生計画である。


 まずは三年後にある王子との顔合わせの挨拶までと騎士にるための準備をしなければならない。騎士だっていきなりなれる訳ではない。それに女騎士となれば男騎士にも負けないように力と体力そして技を身に付ける必要がある。小さい頃からの鍛錬あるのみ!!




 顔合わせの挨拶の方は噂とお父様の協力を使おうと思っている。噂は今のところ候補は二つ。


 一つ目はゲーム同様悪役令嬢という噂。

 これは嫌われ効果は抜群だが、一歩間違えれば婚約回避どころか断罪からの婚約破棄だ。それに悪役令嬢の噂だけでは婚約回避するには至らないかもしれない。実際ゲームでそうなったのだ。ーーゲームでのイベリアは本当に我儘放題の傲慢悪役令嬢だったので、噂が勝手に周囲に流れて広まったーーでも、あまりに酷すぎたらやっぱり上手くいくかもしれないし悩みどころだ。


 二つ目は病弱設定の噂。

 重度な病弱ならば、婚約者が務まらないとして婚約が回避できるかもしれないし、ある程度の時期まで家に引きこもって訓練も出来るという一石二鳥な素晴らしい案だと思う。でもこれには重大な問題が二つある。

 まず、今まで我儘放題で毎日元気過ぎるほどに癇癪を起こしているのが有名な私がいきなり病弱などと信じてもらえるかという事。

 そして、噂を広める為の協力者が必要不可欠なのである。でも私に現時点で協力して貰える人など一人もいないのが現実。……なんて、虚しい。



「精進あるのみよ!頑張れワタシ!!」


 と。まあ、自分へのエールはそこそこにして。


 王子との婚約条件がまず「王子と年齢が近しくて伯爵家以上の身分」が必須。

 さらに、「王妃としての資質」。当然ながら王妃とは国王についで権力を持つ言わば国の母だ。そして、国王を陰ながら支え後宮を管理しなければならない。王妃だって暇ではないのだ。むしろ、国王とまではいかずともとても忙しい。

 魔法も学問もある程度無くてはならないし、社交も上手くてはならない。そんな役割をなんの資質がない令嬢がこなせる訳がなく、まず王妃教育にだって耐えられるか怪しいくらいである。

 そして最後に求められるのが「容姿」なのだ。身も蓋もない話だが、王妃は国の女性の代表として華やかな国民の憧れでいなければならないので、美しい容姿も必要とされる。


 他にも、王子との相性など色々あるがそんなものを一々気にして選定していたら見つかるか分からない。なので婚約には感情は二の次なのが貴族では当たり前の常識としてある。


 ーー・・・私も記憶は思い出したが、イベリアの今までの記憶はそのままなので貴族の常識は問題なく理解している。


 この条件のどれかでも私が欠ければ婚約回避に直結するのだ。


 だが残念な事に、相性は良いとは思えないが今のイベリアには年齢、身分、資質、容姿のすべてが兼ねそわっている。

 王子の1つ下という年齢、筆頭公爵家令嬢とう言う高い身分、悪い意味でだが人の上に立つ生まれながらの資質に根性まである。ーーちなみに人の嘘を見抜き愛想笑いをするのは前世で周りの目を気にするのが癖だったので、大得意である。もはや特技と言っても過言ではない。異論は認めよう。

 魔法は分からないが、両親のどちらも魔法の才があるのでまず間違いなく使えるだろう。学問も王妃としてだけでなく公爵令嬢としてもある程度必要なので、これは当然ながら身につけなくてはならない。


 そして容姿、である。


 私は鏡の前に立った。

 記憶を思い出してからじっくり見たのはこれが初めてだが、我ながらすごい美少女である。ーー月の光を集めたのかような美しい銀髪に瑠璃色がかった深い碧の大きな紺瑠璃色の瞳、縁取るように生える陰が落ちるほどの長いまつ毛ぷっくりと熟れた果実のように赤い唇に小さい輪郭、陶器のような白く滑らかな肌ーー


「すごい破壊、力、、…美少女って恐ろしいのね。国だって殺れるわよ。これ。」


 おっと、今のはNG発言である。危ない危ない。幼児の戯言である。


 ーー・・・誰も聞いてない、よね?うん。信じよう。


 それにしても4歳の幼女でこの美貌か。この美貌に勝てるヒロインの凄さは凄まじい。恋愛戦闘能力は魔王レベルじゃないか?ーー密かにヒロインに魔王の称号を授けたイベリアだった。

 ちなみに私は今世でも前世でも恋愛能力はゼロである。雑魚とも言える。これはオタクの宿命なのだ。仕方ない。異論は認めない。

 でも婚約回避ができたら攻略対象以外のイケメンとなら恋愛するのも案外悪く無いかもしれない。

 女騎士とイケメンの恋・・・いける。私の推しはリオネ様だが、断じて同性愛者ではない。まあ、価値観は人それぞれの個性なので悪いとは思わな……むしろ見るのは全然すきである。




 自分観察を終了して考えを戻す。


 今の状況だと確実に婚約ルートだ。その為に二つのうちどちらかの噂でなんとかしなくてはならない。



 そしてもう一つの対策が最終兵器お父様である。


 お父様には婚約回避の為の助力と騎士になる許可を取ろうと思っている。婚約の了承はお父様も大きく関わるしこれだけは何とかしなくては。そして騎士になる為にお父様の許可を得なくてはどうしようも無いのだ。

 ただ。これにも大きな問題が存在する。


 はっきり言おう。ーー我が家は仲が悪い。

 コミュニケーション皆無のただの同居人状態だ。


 お母様とお父様はお互い勘違いのすれ違いから拗れた関係になってしまって、お父様は仕事ばかりして家にはほとんど帰ってこず、お母様は育児をほったらかして部屋に篭っている。

 兄はそんな両親と我儘放題な妹に嫌気がさして家族を避けて過ごしている。

 ーそして私は我儘放題な傲慢令嬢である。


 私としては小さい子がそんな環境で育ったらこの性格も少しはしょうがないと思う。周りの人にだって責任が無いはけではない。・・・愛情なく育つなんて悲しいじゃない。イベリアが可哀想だわ。まあ、自分なんですけど。


 とにかく!

 家族仲をどうにかしなくては、お父様の助力や許可どころではない。


 でもまずは、何より協力者もといお友達をつくることが大大大優先なのだ!!!


 屋敷内に味方が居なくては何も出来ない。4歳児だから色々と不便なのだ。

 それに噂の協力者の為にも友達は必要だ。鍛錬のためにも協力者は欲しいし……



 ーーよしっ!



「まずはお友達をつくるわよ!!」









次回からイベリア行動です!



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