1/1
覚えているのは君の言葉だけ
幼い記憶が遡る“待っていて”もう君の顔も名前も覚えていない
“待っていて“僕はその言葉に何度助けられたのだろう。
今だってそうだ君の言葉のおかげで生きていられる。
ピーポー ピーポー ピーポー
「一種の記憶障害ですね」そう医者に告げられた僕が覚えているのは、君の言葉だけ…
体はもう大丈夫だが、大事をとって1週間余り入院することになった。僕の母親だと言う人からは僕は高校二年生で 天野 輝という名前だということを聞いた。(あまりしっくり来てない) 両親の他に姉が二人兄が一人いるらしい。今言った様に僕が今知っていることは全て医者や母親に聞いたことで、僕は家族のことも、自分のことも、なんで僕が“記憶喪失“なのかもなに一つ覚えていなかった。