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本好き少女、お店を貰う。

わたくしミラー公爵家のご息女シンシア様にお仕えしております普通の侍女でございますわ。


え、名前ですか?ただのマリーですわ。


気軽に読んでくださいましね。 


さて・・・わたくしの大切なお嬢様の事なのですがとても美しいのです。


ストレートのストロベリーブロンドの髪にす、透き通るような、吸い込まれそうな青い瞳、雪のように真っ白な白い肌。


ね?そう思いませんこと?


この屋敷に使える皆は口を揃えて「この国で一番美しいお方ですわ!」というんですの。


わたくしもそう思いますわ。


しかしながらこうも言うんですの。


「ですけれど残念美人ですわよねー。」


わたくしもそう思いますわ。


何故ならお嬢様は大の読書好きですの。


本を読み始められれば寝食を忘れ本を読むことに没頭されますの。


本をお読みになられる時は誰も近づけたくないそうで、二日、三日は平気で読んでいらっしゃるのです。


故に美しいお髪はボサボサですし、肌は荒れ放題。


美しい瞳の下には濃い隈が素晴らしい存在感を放っておりますわ。


これを毎日見るともう涙がちょちょぎれてしまいますわ。


・・・・・あら?もうこんな時間ですのね。


お嬢様を起こしにいかなくては。


え、あなたもいらっしゃりたい?フフフえぇどうぞ。


ただお嬢様は『天然タラシ』でいらっしゃるから一目惚れなさらぬよう・・・・。


_____________


足の踏み場もない本が乱雑に置かれている部屋。


まさかこの部屋が乙女の部屋だとは誰も思うまい。


その部屋の中央で本に埋もれている女の子はこの部屋の主だ。


「シンシア。」


わたくしが本を読み終わるのを見計らったように兄が声をかけてきました。


「どうかいたしました?お兄様。何のご用です?」


「な、何の用かって?君ねぇあれだけ本にお金を注ぎ込んで置いてそんなことよく言えたものだよ!!もうこの家の財産が尽きそう何だけど!?」


あらまぁそうでしたの。


それはそれはよくない状況ですわねぇ。


お金はないと大変ですものねぇ。


わたくしの本にかけるお金もないということでございましょう?



さて・・・そうですわ!!


お金がないなら稼げば良いと思いますわ!!

我ながらナイスアイディアですわね!


幸いミラー公爵家は商売をもともとしております。


ですからそこの経営権をわたくしが貰い、さらに繁盛させて見せましょう。


そしたらお金も入ってきて、わたくしは本が買えて、公爵家にはお金が入ってくる。


一石二鳥ですわ!!と、言うわけで、


「わたくし自分でお金を稼ぎますわ!ということでお兄様失礼しますわね!」


扉を開き廊下をパタパタと走ってお父様の執務室へと向かいます。


「お父様!!!!!!」


「うぇぇあ!!!な、なんだね?シンシア!」


あら、尻餅をついてしまわれて・・・そんなにビックリ致しましたか?


申し訳ございませんわね。


お父様。ではなく!

「お父様わたくしにお店をくださいませ!!」


「うん!いいよー!」


返事はまさかの即答でしたわ。


いえ、それで良いのですかお父様。


仮にも公爵家の当主ですのに。


それにこれはお兄様からお聞きしたんですけれどもお父様は現国王の宰相で【冷酷冷徹鬼の宰相】と呼ばれているそうですわ。


今のこのお父様の姿をお城の方々が拝見なさったら即日政まつりごとが機能停止になりますわ。


とりあえず都合がよいのでこのまま押しとおしましょう。


「ありがとうございますわお父様!では早速通達をよろしくお願い致しますわね?わたくし明日から行って参りますので。では!失礼しますわ。」


扉を開けて出ていくわたくし。


後ろから何か声が掛かって来たような気もしますがまぁ無視ですわね。


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