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ベースメント  作者: なさぎ しょう
11/15

噂の収集


依頼を受けてからの2日間は死ぬ程忙しかった。

3日後からは恩氏…いや四大代理戦争組織(カンパニー)からの依頼の準備を始め、1週間後にはSOUP(スープ)への潜入を開始しなくてはならない。


「ってもSOUPの情報なんてその辺に転がってる訳も無し…やっぱりなにか引っかかりそうな所といえば…」




そびえるように建つ門を抜け、駐車スペースに車を止めると警備ロボがやってきて、車の内外に怪しいものが無いかをスキャンする。それから、ロボのつるっとした丸い頭部に手をかざし、あらかじめアポを取った人間であることを証明する。

リザはロボを凝視して顔をしかめながら、渋々手をかざした。

その先のセキュリティゲートを2つ抜ければ、広大な芝生とタイルの広場。旧欧州(ヨーロッパ)風の校舎が渡り廊下でつながれ8つ。さらに奥には別棟まである。

ユキは思わず学生の頃に戻ったような気分になった。


ユキの母校にして、トラストルノ唯一の教育機関

トラストルノ特別教育保護機関、通称PEPE(ぺぺ)である。


良くも悪くも変わらない母校に懐かしい気持ちになる。


「ここに…ユキ…通ってたの?」


「そうだよ。」


リザはなんともいえない表情で校舎を見上げてから、先を行くユキについていく。





学生たち、とくに女の子達は噂が大好きで、様々なSOUPに関する噂を教えてくれる。


「裏の世界を牛耳る秘密組織なのよ‼︎」

「世界中のあらゆる立場の人々の代表がいる組織でしょう?」

「代理戦争の一切を取り仕切る組織じゃなかったかしら?」


ただ、どの噂も信憑性が無さ過ぎたり、もしくはすでに知り得ている情報ばかりだった。唯一、"Sクラス"についてだけは奇妙な噂を聞いた。


「Sクラスがあるのはご存知?あそこの今の首席、つまり現PEPE東校(イーストヤード)におけるトップの子がね…その、4年前突然やってきてトップに躍り出てきた子なんだけど…学校に手続きに来た時かな?SOUP(スープ)の人達に連れられて来たのよ。」


つまり、SクラスにSOUP構成員がいる、ということだろうか?


「確かじゃないんですけども…私の知り合いに1人だけSOUPの下っ端みたいに働いている方がいらっしゃって…その方の運転する車でいらっしゃったように見えましたの。ただその時を見たのは私1人だけで…」


これに似た噂で


「首席はどうも既にSOUPの構成員らしい」

「SOUPの人達と繋がりがある。」


というものも出てきた。




「会いに…行ってみる…?」


Sクラスにそんな簡単に入れるかは、わからない。

でもその首席の子なら、SOUPについて知っているかもそれない。



ユキとリザは意を決してSクラスの校舎に向かった。


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