すべての欲求は感じたい
簡単に手を入るものに人は感じなくなる。大事にしなくなる。
だけどその後が本当に欲しいもの。彼氏を手に入れると私は終わる。
このままこの人が私を大切にしなくてもいいので『ここ』にいさせてくれたらいいのだ。
私には、いてもいい『ここ』が必要だった。夜店の金魚はずっと青いプールでは長生きできない。もらわれてからが窮屈で安全な自由なのだ。つぎの『ここ』が地獄でも弄ばれて死ぬよりはマシなのだ。誰かに必要とされている事が酸素なのだ。酸素が頭に回っても心は凍ったままでも魚は死なない。仮死状態になり命を繋いでいる。
『ここ』に居着く事は『休む』事。
何も考えなくなった。登ろうとしない者は落ちやすいらしい。後は落ちるだけだ。どんな関係も大きく落ちていった。
いつかではなく、いま。
どこかではなく、ここ。
金魚は思う。




