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優しい人
♯ 048
ストリートチルドレン 「お、来たぞ。行け行け。」
少年は、ボロボロの服を着て、ボロボロの靴を履いて、真冬の路地に這い蹲りました。そこに一人の紳士が通りかかりました。
紳士 「おい君、どうした?こんな寒い夜にこんな真っ暗な道で。」
少年 「お遣いを頼まれたんだけど、預かった500円玉を落としちゃったんだ。あのお金が無いとみんなの分のパンも買えないし、僕、みんなからボコられて殺されちゃうかもしれない。どうしよう。」
勿論、少年は最初から500円玉は持っていませんでした。物乞いをするための演技です。
紳士は「それは大変だ」と言って、着ていたコートのポケットの中を探り始めました。少年はその様子を見て 『してやったり』の表情です。
紳士 「あった。この灯りで探しなさい。」
心優しい紳士が少年に差し出したのは100円ライターでした。
今夜はちょっと忙しいので、この辺で。




