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居場所
♯ 025
「まだそんな歳でもないのに、この度は、お悔やみ申し上げます。」
その婦人は先日、30年ほど連れ添った旦那をを亡くしました。
「わざわざ遠いところから来てくれてありがとうね。まあ、人は誰でもいつかは死んでしまうものだから。こればっかりはしょうがないわよ。」
「しかし、あなたも偉いわよ。旦那さんのためにあんな立派な墓石建てようなんて。」
「まあ、いずれ私もそこに一緒に入る事になる訳だから。それに、あの人が墓に入ってるって分かれば、毎晩どこにいるのか分かってよく眠れるようになりましたの。」
今晩は諸用がありまして。短めの作となります。