対処法
♯001
某国のスラム街、ある夜に一人の男が薄暗い路地を歩いていました。
その男の後を追ってもう一人の男が近づいてきました。
後を追ってきた男は、先を歩く男の背中に拳銃を突き付け 「おい、持ってるカネを全部置いていけ」と脅しました。強盗です。
脅された男は素直に財布を差し出しました。しかし、強盗に一つの相談をしました。
「私は組織の下っ端だ。そのカネはボスに持っていくはずだったカネだ。何事もなくカネを持って行かなければ、オレがカネを持ち逃げしたって疑われてオレは撃ち殺されて死ぬ。見知らぬ強盗に銃で撃たれてカネは盗られたっていう証拠がほしい。その銃でオレのコートに穴を空けてくれ。そうしたらそのカネはくれてやる。」
そう言って男はコートを脱いで強盗の前に差し出した。
強盗はコートを受け取ると、そのコートを銃で撃って穴を空けた。すると男は続けて言った。
「一発撃たれたくらいじゃボスは許してくれないだろう。もっと穴だらけにしてしてくれ。いかにも命だけは助かったってくらいに。」
強盗も、まあカネは手に入るのだし、それで哀れな境遇の被害者を救えるなら良いかと何発も銃を撃ってコートを穴だらけにしていきました。
そして、強盗が銃の全弾を撃ち込んでボロボロになったコートを返そうと被害者の男に近付いた時、被害者の男は胸元からおもむろに銃を取り出し、強盗の頭を一発で撃ち抜き、盗られたカネを取り返して去って行きました。
とりあえずゆっくり始めていきましょう。