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仕官と織田信秀という男

1534年

与五郎は仕官の口添えをしてくれる、平手政秀と共に勝幡城に来ていた。


「小さかった商人の息子のやんちゃな小僧が織田家に仕官するとは、世の中何が起こるか、わからないの~」

「平手殿、そんな昔の話は忘れてください」


そんな話をしながら2人城の奥に入って行く。そして与五郎は政秀と共にこの城の主織田信秀にすぐ会える事となった。

このように与五郎の様な者にすぐ会えることは異例であり、織田信秀の平手政秀に対する信頼がうかがえる。


「与五郎、殿が参った。頭を下げろ」

と言われやや慌てて平伏する。


そして足音が近づき止んだあと、

「表をあげろ」

と低く威厳に満ちた声がした。そして与五郎は頭を上げ、声の主を見る。

そこには、肌がやや黒くて、顔は彫りが深く髭をキレイに整えていて、ガタイの良い人物が座っている。


「お主が平手が言っておった者か」

「はっ、私は並河則房と申します」


「ふっ、並河則房か、武士の様な名前だな」

「はい、私の曽祖父まで武士であり、その名残りでございます。」


「うむ、お主の身元はそこの平手が保証してくれる。だが儂はお主の実力をしらん、そこでだ、お主を試す。近々戦がある、そこでお主に課題をやる。2日以内に最低でも60人以上の兵士を集め、その者たちを率い武功を上げたら、儂の直臣にしてやる。」


「はい、わかりました。必ずそのお役目果たしてみせます。」


そうして、与五郎は城を出て津島に戻って人を集め始めた。そして与五郎の呼びかけに、与五郎の父に恩義がある者や与五郎自身を慕う若者が少しづつ集まっていた。


∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆

2日後、与五郎は集めた100人と共に勝幡城にきた。そこに待っていた平手政秀がいた。

「与五郎、よく2日でここまで集めたな。だがここからが本番だ、心して掛かれよ」

「はい、わかっております。ところで我らは誰と戦うのですか」


「言っておらんかったか、尾張守護代家と三奉行の一人織田藤左衛門が講和したのにも関わらず、性懲りもなく兵を集め始めておると、手の者から報告が有り、そのためこちらもそれに備える為に兵を集めておる。それで一人でも多くの兵を集める為にお主に殿はこのような課題を出したのだ。」  


与五郎はその話を聞いて、やや緊張すると同時に信秀に利用されて複雑な気持ちになった。


それでも与五郎はここで武功を上げて、必ず武士として名を馳せると決意を固めた。

そして与五郎に初陣の足音が今か今かと少しづつ近づいていた。



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