金髪エルフはだいたい厄介事を抱えている
麗しき金髪巨乳エルフを助けたメガロドン太郎は、そのお礼にと彼女の体を要求する。
そこに華麗に登場する蒼海の支配者シャチの兄貴。
ドン太郎は兄貴の体当たり一撃で全身バラバラに骨折してしまうのだった。
いかにメガロドンと言えど地球の7割を支配するウルトラギャング、シャチの兄貴には勝てないのだ。
ありがとうシャチの兄貴。
パンダ柄に悪い奴は居ないのだ。
嘘あらすじ終わり。
路地裏でチンピラに絡まれるエルフの女性を助けた鮫。
鮫の事を知っているらしい彼女から事情を聞くことにしたのだった。
「あなたはなぜ私を知っていたのですか?」
「その疑問は当然でしょうね。詳しくお話しますよメガロドン太郎さん。」
「すいません、その名前やめてもらえます?」
メガロドン太郎というのはフカイラムが鮫を呼ぶ際に使用していた名前だ。
羊の影が脳裏をよぎり、彼女は危険であると鮫の第六感が警鐘を鳴らす。
「それでは鮫さんと呼びましょう。あれは昨夜の事ですが、私は神に会ったのです。」
「その話長くなりますか?ちょっと急用ができたので帰っていいですか?」
「いえ、すぐ済みますので逃げないでください。」
雲行きが怪しいので逃げようと思った鮫だったが、女性にあっさりと捕まってしまった。
彼女は見かけによらず怪力で、その細腕を振りほどくことができない。
そしてそのままデスロールめいた回転で鮫はひっくり返されて動けなくなってしまう。
これは鮫が仰向けにされると失神するという特徴を知った上での対処法である。
また鮫肌が一定方向のみに棘がある事を知っているようで、彼女は怪我を負っていない。
鮫の特徴を把握している彼女から逃げる事は困難なので、しぶしぶ話を聞くことにする鮫だった。
「話を戻しますが昨夜私は夢を見たのです。そう・・・神のお告げを。」
「それってもしかして羊っぽい奴ですか?」
「おお、やはりご存じでしたか。私はその神によってこの地に遣わされた使者なのです。あなたを導くために。」
女性は両手を広げて神々しい後光に包まれた。
まるで神の祝福を受けているかのような演出だが、ただ魔法で光を出しているだけである。
「神は置いておいてあなたは何者なのですか?」
「私は普段はエルフの姫をやっておりますが、本職は鮫映画ファンです。」
「いや逆でしょう。というかお姫様だったんですか?軽々しい口をきいてしまい失礼しました。」
「いいのですよ鮫さん。私は姫である前に鮫映画を信奉する宗教団体、フカき者の一員なのですから。鮫であるあなたはいわば神そのものです。」
「その団体は危険なので今すぐ潰した方がいいですよ。」
「なぜそのような事をおっしゃるのですか?あなたは鮫映画をこの世界に浸透させるためにやって来たのでしょう?」
「なるほど、そんな話になっているんですか。」
危険な思想を持ったエルフの姫に困惑する鮫だったが、幸い彼女は鮫の事を信奉している。
どうにか彼女の危険思想を排し、気味が悪い宗教団体も壊滅させたいと思うのだった。
テンプレ異世界に真面目な鮫が迷い込む話にするつもりだったのに、ヒロイン(?)が変人になってしまった。
作風がぶれないように、キャラづくりをしっかりしようと思いました。(感想文)