異世界名物金髪巨乳エルフ
羊の悪魔フカイラムを討伐した鮫は、ゲートを抜けて異世界へと旅立った。
神を噛み殺すというネタを使い忘れて申し訳ない。
フカく反省しているので許してシャーク。
ゲートを抜けた鮫が目を開くと、そこは中世ヨーロッパ風ののどかな田舎町だった。
町ゆく人々は人間だけではなくエルフやドワーフ、獣人も混じっている。
言ってみればテンプレなファンタジー世界だ。
「フカイラムからは結局何も聞けていなかったけれど、ここはどういう世界なんだろう?」
鮫は神を自称する羊フカイラムによって転生させられたのだが、その者が邪悪だったので詳しい話を聞かずに噛み殺したのだ。
行く当てもないのでとりあえず異世界へとやって来たが、特にやることがない鮫なのだった。
「キャー!」
しばらく町を眺めていた鮫だったが、のどかな町には似つかわしくない女性の悲鳴が響く。
「むむ、これはただならぬ様子。見に行ってみよう。」
鮫は現場に急行することにした。
悲鳴のした路地裏へと駆け込むと、そこにはガラの悪い男3人に囲まれたエルフの女性が居た。
女性は金髪巨乳でかなりの美人であり、その服装から裕福な家柄であることもうかがえる。
「オラァ!早くしろオラァ!」
「なめとったらあかんぞワレェ!」
「やめてください!」
「そこまでだ悪漢ども!」
事情はまるで分からないがとりあえず女性と男達の間に割って入る鮫。
女性一人に三人がかりで襲い掛かるような男達に正義があるはずもないという判断だ。
突如出現した巨大なメガロドンに男達は震えあがり声も出せない。
「大丈夫ですかお嬢さん?ここは私に任せてお逃げなさい。」
鮫は女性に逃げるように促すが、彼女は逃げるどころか鮫に近づいてくる。
「やっと見つけましたよ!メガロドン太郎さん!」
「ん?」
彼女の口から思わぬ名前が出て振り返ってしまう鮫。
それに合わせて蛇ににらまれた蛙のようになっていた男達は正気を取り戻すのだった。
「クソ!てめぇの仲間だったのか!ふざけた着ぐるみきやがって!」
「構わねぇまとめてやっちまえ!」
「応ッ!」
先ほどまで震えていた男達だったが、鮫が女性の仲間の変装だと勘違いして襲い掛かって来た。
男達は助走を付けて思い切り鮫に殴りかかる。
「グワー!」
「手がー!」
鮫を一方的に殴りつけた男達だったが、逆に拳を損傷して地面を転げまわる。
これは鮫の肌を覆う楯鱗・・・いわゆる鮫肌によるダメージだ。
メガロドンの楯鱗は通常のホホジロザメよりも分厚く鋭くそして硬い。いわば第二の牙とも呼べる武器なのだ。
まさに全身凶器である鮫に人間が素手で触れればただでは済まないのは明白である。
「何をしやがったてめぇ!」
「暴力はいけませんよあなた達。見逃してあげるからどこへなりとも行きなさい。」
「クソッ!ずらかるぞ野郎ども!」
「この魚野郎!覚えてやがれー!」
男達は捨て台詞を吐くと尻尾を巻いて逃げ出してしまった。
残されたエルフの女性と鮫は改めて向かい合う。
「助けてくれてありがとうございます。」
「当然のことをしたまでです。お礼は要りませんよ。」
「ところで、なぜあの男達を殺さなかったのですか?」
「え?」
いきなり殺すなどとは物騒なことを言い出す女性である。
なぜ鮫の事を知っていたのか、この女性が何者なのか、確認しなければならないと思う鮫だった。
鮫がなぜ普通に地上を闊歩しているのか?
そんな疑問を持つ悪い子は鮫映画を見ましょう。
鮫は空を飛ぶし宇宙にも行ける、全地形適正Sのユニットです。