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異世界ジョーズ ~鮫ファンタジー~  作者: メガロドン太郎
フカいい話 ディープ的な意味で
1/9

鮫は止まると死ぬ

 私はどこにでもいる平凡なブラック企業勤務のメガロドン。

 今日もいつも通り終電を逃したので、自宅アパートまで歩いて帰っているところである。

「やれやれ、鮫遣いの荒い世の中だ。」

 日々のストレスからちょっとした愚痴をこぼしていると歩行者用の信号が赤に変わった。

 私は信号で止まり青になるのを待つ。

 その間わずか数十秒であったが、私は不意によろめいて道路に飛び出してしまう。


 しまった!と思った時にはもう遅く、私は猛スピードで走るトラックに轢かれてしまった。

 ぶつかったトラックの方へ視線を向けると、トラックは激しく損傷して炎上している。

 鮫にぶつかって無事で済むはずがないので当然だ。


「なんてこった!運転手は無事だろうか?」

 私は運転席のドアを食い破り、燃え盛るトラックから血まみれの運転手を引きずり出した。

 その直後にトラックはしめやかに爆発した。間一髪だったな。

 運転手は気絶しているがどうやら息は有るようだ。


「スタアァップ!」


 大きな声に私が振り返ると、背が高く髭面のアメリカンなおっさんが立っていた。何か怒っているようだな。

 とりあえず事情を話そうと近づくと、おっさんは問答無用と言わんばかりにガスボンベを私の口に突っ込んできた。

 やれやれ、最近のおっさんはやんちゃで困る。私が普通のホホジロザメであれば怒りに任せて食い殺しているところだ。

 そんなことを考えているとおっさんはどこからともなく狩猟用ライフルを取り出した。

 銃刀法違反だぞ。と言いたいところだったが、口にガスボンベをつっこまれていては声が出ない。

「くたばれ化け物!」

 そう言うとおっさんは流れるような動きでライフルを構えてガスボンベを狙い撃つ。

 瞬間目の中に火花が散りそこで私の記憶は消失した。



 体の感覚が無い。

 どうやら私は死んでしまったようだ。


――――――――――

 一般常識なのでご存知のこととは思うが一応説明しておこう。

 鮫は常に泳ぎ続けていないと酸素を取り込むことができないのだ。

 赤信号でフカくにも停止してしまった鮫は、酸欠によりよろめきこのような事件の発生へと繋がってしまったのだ。

 鮫のみなさんは事故に巻き込まれないためにも、信号近くでは特に気を付けよう。

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