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第一章 落ちてきた、黒き機体 01


 …今思えばあの出会い方は今までの全てを変えてしまったのかもしれない。

 あの日、あの機体が来ていなければ俺は…。

 そして、すべてを奪った事件を俺は忘れない…。


 この世界は理不尽と矛盾に満ちている。

 そうでなければ、今俺は授業中に空を見上げていないだろう。

 俺は、何がしたいのだろう?

 そうも思いたくなる。

 何をやっても、上手くいかず、失敗ばかりして、挙句の果てに進むべき道がわからなくなる。

 なんでこんなことになっているんだろう?

 他の人は、簡単だとか言って軽々やってのけているのになんで俺だけは、何もかもが難しくなっていくのだろう?

 そう思いながら、今朝野良猫に引っかかれた痕が痛む中、授業の先生の声を聞き流してく、それが俺のいつものコトになってしまっていた。

 ーーーそう、あの日までは。

 その日は、いつもなら朝から嫌なことがあるはずだったが、なぜか何一つもなかった。

 その時は、何も思わなかったが、今思えばそれすらも前兆だったのかもしれない。

 俺が通う学校は全寮制の普通科の高等学校だ。

 寮も設備は悪くはないが、何せ全校生徒が一つ屋根の下で暮らす。

 だから迂闊な真似をすれば、その噂が一瞬で全校生徒に知れ渡ってしまう。

 それに、46時中いつもともにいることになってしまう。

 最初の印象が悪くてボッチになってしまえば、それが卒業まで続く、そんな環境下で、俺は進んでボッチになることを選んだ。

 --誰かに邪魔もされたくないし、それに他人と一緒にいたくない…ーー

 そうもいながらも、退屈な日々を過ごしていた。

 最初は、近づいてくる人は多少いたものの、一か月もすれば特に用がある時以外は誰一人として話してこなくなった。

 その日も俺は、雲一つない青空を見つつ、授業を聞き流して過ごしていた。

 そして、何か降ってこないかと思っていた…。

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