1話 部員を集めよう
1話です。
文が稚拙なところがありますがよろしくお願いします。
18・12・4 編集しました
記念すべき1人目の部員はマネージャーだった。
「私は平崎佳澄。よろしくね!」
「佐野先生から聞いてると思うけど、俺は海野貴洋。よろしく」
とりあえず入部希望理由を聞かなければ海野貴洋ならない。
「何で、平崎さんは野球部に入ろうと思ったの?」
「う~ん、中学生の時に野球部のマネージャーをやって、その時に野球ってかっこいいな~って思ったからかな。ほら、マネージャーってグラウンドに入れないけど、一緒にプレイしてるみたいじゃん。それで、高校でもって思ったんだ」
ほう、別に問題があるわけではないが、最後に1つとっても大事なことを彼女に聞いた。
「平崎さんは心から野球が好きですか?」
そんな少し意地悪かもしれない質問に笑顔で答えた。
「もちろんだよ!」
野球が好きなら断る理由なんて存在しない。
「これからよろしくお願いします」
俺は手をさしだした。
「うん、よろしく!」
彼女は俺の手をとり握手をした。
「こんなに可愛いマネージャーがいれば選手もすげーやる気でるだろうな」
「や、やめてよ~、可愛いなんて。」
平崎さんがかなり照れているのはおいといて、仕事をお願いする。
「じゃあ、早速仕事をお願いしていいですか?」
「うん、私にできることならなんでも言って」
いやぁ、ありがたい。こんなにやる気がある人に来てもらえて良かった。
「平崎さんは絵を描くのは得意?」
「絵?まぁ、得意かな?」
「じゃあ、部活動勧誘ポスターを作ってほしいんだけといい?」
「あぁ、あの何の絵かわからない、ポスターねを描き直すのね」
「そうそう」
こうも、はっきりと言われると傷つくな。でも、あのひどい絵を飾っていたくないからな。バットがいびつな形をしてたり、ボールが楕円だったりしてるからな。
「これに描いて」
画用紙を渡し、指示を出す
「俺は、野球やってた人に声かけてくる」
「うん!」
え~と、まずは1組の仲里君からか。
「すいませ~ん。仲里君いますか?」
1組のドアの近くにいた生徒にきく。
「今呼ぶね」
少しすると仲里が来た。
「なんですか?」
「野球部に入らないか?」
「野球部ってあったんだ」
第一声がこれである。かなり手応えがない。
「野球か、あるなら入ろうとしてたしな」
だが、好感触の一言である。
「よし、野球部に入ろう」
一人目を確保した。
では次のターゲットのところへ。
次は2組の半田君と狭川君だ。
「半田君と狭川君いますか?」
クラスのドアの近くにいた生徒に声をかける。
すぐに二人が来た。
「なんですか?」
半田君が口を開いた。
「野球部に入るつもりはない?」
狭川は驚いた顔をした。
「野球部あったんだ」
みんな同じ反応するな。まぁ、部活紹介のときも野球部出てかなかったし、そりゃそうか。
「部員が0だからな、人を集めてる段階なんだ」
二人にいきさつを話した。
「チームの方針は?」
狭川が痛いところを突いてきた。
まだできたばっかりの野球部に方針など存在しないから答えられないのだ。
「それはまだ決まってない。これから自分達で決めて行くんだ。だから言い方を変えれば方針は『自由』と言ったところかな」
2人は、少し考えている。
「自由ね」
ボソッと呟く声が聞こえた。
「野球部に入る。まあ、楽しくやらせてくれよ」
狭川と半田はそう言った。
次は同じクラスにいる3人。加藤、田嶋、豊中である
早速、3人の元へ行く。
「なぁ、3人とも、野球部に入るつもりはないか?」
たまたま同じところにいた、3人に話しかける。
「野球部あったんだ」
はい、出ました~!野球部あったんだ。これで3度目です!
俺はこれまでのいきさつを話した。
「顧問の先生ってどんな人なんだ?」
佐野先生はどんなひとか、ね。
「そんな悪い人ではないよ。性格としてはね。ただ、結構こっち側に任せてくることが多いと思う。それを無責任ととるか、自由にさせてくれているととるかは人次第だけどね。」
別に怒鳴り散らしもしないだろうし。
「そうか、俺はそっちの方があってるでな」
少し考えてたのか。2分ほど待った。
「よし、入れさせてくれ」
三人とも野球部への入部が、決まった。
次にお隣のクラスの、松瀬と石川の元へ行く。
「松瀬君と石川君を呼んでくれませんか?」
と手近な人に言うとすぐに呼んでくれた。
「なんですか?」
「野球部に入りませんか?」
二人はちょうど良かったと言って俺に入部表を出した。
「もともと野球部に入ろうとしてたんだよ。でも、2人だけなら意味ないかって止めようとしてたんだけど。野球部のポスター見てやっぱり入ろうってなってってことなんだ」
そう説明してくれた。やっぱりやる気がある人は良いな。
最後はキャッチャー、
確か、岡崎涼太。多分シニア上がりのはず。
シニア上がりなら、俺の130ちょいのおっそいストレートはとれんだろ。
「岡崎君っていますか?」
「ちょっと待ってて」
すぐに岡崎が来た。
「何の用ですか?」
「野球部に入るつもりはないか?」
そう言うと彼は驚く。
「野球部なんて存在してたのか」
はい、4回目!石川と松瀬がレアケースだったのか。
「そうだな、知ってると思うが俺はキャッチャーだ。このチームのピッチャーのボールを見てどうか決めたい」」
キャッチャーらしい返答が返ってきた。俺はその答えに余裕の笑みで答えた。
「わかった。じゃあ、来てくれ。お前の求めているボール投げてやるよ」
動きやすい格好に着替え、学校のグラウンドの端にあるブルペンに移動する。
少しキャッチボールをしたあと岡崎に座らせて。そして岡崎のミットめがけ全力で腕を振った。
岡崎のミットは一ミリも動かずボールはおさまった。今の球は良かったなしっかり指にかかった良いストレートだな。
「なんてボールを投げんだよお前」
「まだまだたいしたことはない」
「このノビでそれか。こんなボールを投げるヤツがいるのにそれを受けるキャッチャーがいないとなったら、それは本当にもったいないな」
「だろ?だから岡崎を誘ったんだ」
「そうだな、野球部に入部させてもらうな」
そして、流ヶ丘高校野球部は9人を揃え試合ができるようになった。
だが、俺は1組にいったとき1人気になる人がいた。
ハーフか何か分からんが、体のデカイ人がいた。
岡崎を勧誘したあとに、その彼のところへいった。
「ねえ、一緒に野球やろうよ」
「野球ですか」
彼は明らかに困惑していた。
それもそうかいきなり知らないやつに野球やろーぜって怖すぎるよな。
「あ~。俺は海野貴洋よろしく。俺は野球部の部員を集めててな」
遅いだろうが名乗る。
「エイブラムアルバードよろしく」
外国人、か。にしても日本語うめーな。
「誘ってくれたのはうれしいんだが俺は野球やったことがないんだ」
「んなことは関係ない。アルバードの体格なら、余裕だ」
多分、野球の投げ方を教えたらすぐに140以上出ると思う。そんぐらい、体がでかい。
「頼む、部員が少ないんだ。入ってくれないか?」
そう言うと、彼は静かに言った
「今からはじめてもプロ野球選手になれるだろうか」
「それは努力次第だな。アルバードが、野球部に入りサボらず普通に鍛えたら、多分なれる」
そんなことは一度プロ野球選手になっている俺はよくわかっていることだ。
「海野の言葉は信じていいのか?」
「ああ、もちろん」
彼は俺に手をさしだした。
「俺を野球部に入れてくれ」
俺は彼の手を握り
「大歓迎だ」
アルバードと固い握手をした。