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課題

先週はすいません

では今回もお願いします

 敗戦の翌日、流ヶ丘高校から部員が1人減り、始まった新チーム。今日はその一回目の練習である。

「今日はそんな、長いこと練習しねーから集中してやれよ」

 今までから体制は全く変わらず始まった新チーム。だが、絶対的エースであった興津さん、1人抜けただけでも、その穴は本当に大きい。だからといって、それを言い訳に負けるなんてことがあってはならない。だから、俺はあの敗戦を糧に更なる高みを目指す。


 そして、いつも通りアップをして俺は岡崎を連れブルペンに入る。

「なぁ、海野」

 岡崎が不意に話しかけてきた。

「球種、増やさないか?」

 岡崎は俺にボールを渡しながら言ってきた。

「左に有効なってことか」

「そういうことだな、今のままだと左に有効な球種はスプリットくらいなんだよ。そうするとやっぱり、今、練習しているシンカーを投げるしかないんだ」

 俺は軽くうなずき投げ始める。はじめはもともと持っていた変化球を投げ込み、真っ直ぐを投げ、そしてシンカーの練習を始めた。

 


 15球程シンカーを投げ続けついに曲がるようになった。俺は天才かもしれん。いや、4ヶ月練習してたわ、時間かけすぎたな。

 だが、少しは曲がるようになったので良かった。

 その後は軽い連携などを確認して今日は半日で終わった。



 グラウンド整備も終え、帰りのしたくも終わらし有山を待つ。

 雲が怪しいな。めっちゃ雨降りそうだ。

「ごめん。お待たせ」

 有山が来たところで俺は帰るために足を進めた。

 駅が目の前となったところで雨が降り始めどしゃ降りになる前にと駅へ走った。

 ホームで電車を待っているとかなりのどしゃ降りになっていった。

「すごい降ってきたね」

「あぁ、俺、家に帰れないかも」

 冗談めかして言ったが実際かなりヤバイ。俺の家は駅から自転車で30分。今日俺は定期しか持ってきておらず財布は家に忘れた。両親は働きに行って家にいない。妹も塾でいない。これ、詰んだわ。

「大丈夫?海野くん」

 有山は俺の顔をのぞきこんで、言ってきた。

「大丈夫じゃない」

 そう言うと有山は手をしたの方でいじいじしながら言った

「私の家、来る?」

 はい?



 ということで、俺は有山の持ってきていた傘の中に入れてもらい歩いている。いわゆる、相合い傘ってやつだ。

 有山とはめっちゃ近い距離で歩いている。

 なんつーかヤバい。とりあえずヤバい。

 一歩進む度に肩がふれあう。ヤバいめっちゃドキドキしてる。

 落ち着け、落ち着くんだ海野貴洋。こういうときは素数を数えるんだ。よし、1、2、3、あれ?1って素数じゃないよな。わからん、頭が悪すぎて分からん。なんで、俺この学校受かったの?

 と、下らんことを考えていると、有山の家に着いた。

 うん、大きいな。うちの三倍くらいある。

「ただいま~!」

 有山は家に入り大きい声で言う。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 メイドさんだ。ガチのメイドさんだ。

「後ろの方はどちら様でしょうか」

 俺の方を見ながらメイドさんが有山に聞いた。

「お友達の海野くん。野球部のキャプテンだよ」

「あなたが海野さんですか」

 メイドさんが俺のことを見て納得したよういった。

「雨が降ってて家に帰れないんだって。だからやむまで家で海野くんと遊んでもいい?」

「別に構いませんが」

 メイドさんがそういうと有山はメイドさんに飛びつく。

「ありがとう!」

 俺もメイドさんに頭を下げお礼を言う。

「ありがとうございます」

「いえ、お嬢様の言った事ですから」

 そんな会話をしていると有山が俺の腕をつかんで引っ張った。

「海野くん、じゃあ私の部屋行こ!」

 俺は有山に引っ張られるがまま歩いて行った。

 有山の部屋はかなり落ち着いた部屋だった。

 本はしっかり本棚にあり、勉強道具等は別の場所に置いてあるのか、机の上には一切ものが無かった。

 ちなみに、俺の部屋の机には野球のピッチングの本や、野球道具で散乱している。

 俺の話はここまでにして、有山は遊ぶとか言っていたがゲームとか娯楽が全く無いんじゃないの?

「よし、じゃあ宿題やろう」

 あれ?有山さっき遊ぶって言ってなかった?

「海野くんは宿題終わった?」

 俺は夏休み入ってすぐに終わらせたためその問いにうなずく。もちろん、答えを写したが。

「じゃあ、海野くん教えて?」

 上目遣いでお願いされたため、断れるはずがなく、了承した。



 有山の宿題の問題をガンガンに俺が解いていく。なんで俺がと思うが。有山は今別の宿題をしている。数学じゃないからまだセーフ。英語ならまだできるから。有山の前でさすがに答えを写すことはできないからな。 

 そこから二時間ほどやり続けた。

「終わった~」

 有山が大きく伸びをする。

 俺は窓の外をなんとなく見始めた。そこは雨が上がり晴れ始めていた。

「んじゃ、帰るか」

 俺がそう言うと、有山は一瞬不服そうな顔をするが。すぐに戻し。

「じゃあ、また明日」

「おう」

ありがとうございました。

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