プロローグ
はじめまして車劇です。
初投稿なので多めに見てください。
よろしくお願いします。
18・12・2 編集しました
『空振り三振!これで今日23個目の三振です!そして、あと1人で完全試合達成です!』
実況が平成初の大偉業を成し遂げようとしている投手の様子を興奮気味に伝える。
『さあ、追い込みました!スタンドからはあと一人コールが鳴りやみません!さあ、最後の一球となるのか!』
そして、振りかぶり、渾身のストレートをバッターの膝元に投げ込み、そのバットは空を切った。
『空振り三振!なんと!プロ三年目の若手投手が、完全試合をやってのけました!』
その年のオフシーズンに彼はポスティングシステムを利用し、メジャーリーグへの挑戦を表明した。評論家の中には彼の決断を酷評する人もいたが、そのほとんどは正しい判断だと評価した。
そして彼は、全野球ファンと日本の誇りを持ち、アメリカへ旅立った。
オープン戦ではメジャーのバッターを完璧に抑え込みそのままシーズンに入れば二桁勝利ができると言われていた。
しかし、彼は憧れのメジャーのマウンドに上がることはなかった。
彼は信号無視のトレーラーから子どもを守るために轢かれこの世から去った。
気がつくと赤子になっていた。これが転生か。2度目の覚醒で俺が最初に思ったことだ。漫画の読みすぎかもしれないが転生って剣と魔法のファンタジーな世界に行くもんだと思ってた。
まぁ、でも、二回目の人生をもらえて、しかも野球もある。これは俺は海の向こうを目指すしかない。そう思った。
俺は幼稚園の時から野球を始め、今は中学生となった。
現在の最高球速は132キロ、球種はカットボール、カーブ、スプリットの3つである。
来年からは高校生だ。これだけの実力があるので複数の強豪校から誘いがあったが全て断り、県立高校に行くことにした。前世では強豪校に行ってたが、こっちでは、野球だけじゃなくていろんなことをやろうと思う。
しかし、野球に対しては楽しくかつ全力で。
と思っていたが、俺の行く学校である流ヶ丘高校には野球部はあるにはあるが、部員が0であった。
やっべーよ。どうしよ、俺コミュ障だから人に話しかけらんねーわ。詰んだかもしれない。でも、野球をやるためだから、こんな甘ったれたこと言ってられないな。とにかくできることをやらなければならない。
その後、顧問の佐野先生に画用紙をもらい部員勧誘のポスターを描いた。絵が下手なりに一生懸命に描いた。
翌日佐野先生に提出した時に全力で笑われた。あの人あんな笑わなくていいだろ。
その張り紙は学校にある、3つの掲示板にはりつけた。あとは、少しの間待って、来なかったら俺の重い腰を上げて、一人ひとり野球やってた人を回って誘ってくしかない。この張り紙で来てくれることに越したことはないが。
3日後、佐野先生に呼ばれて職員室へ行く。
俺なんかやらかした?でも授業中しっかりノートとってるし、寝てないからな。
「失礼します」
職員室に入って、すぐに佐野先生のいる机に向かう。
「あぁ、海野きたか。入部希望者がきたから呼んだんだ」
ついに念願の部員か。よっしゃ!
「明日、海野の所に行くよう伝えたからよろしく」
「はい、わかりました。で、ポジションはどこですか?」
すると、佐野先生は口角を上げ満面の笑みで言った。
「それはな、お楽しみだ」
うぜぇぇぇぇ!危うく声に出しかけた。そんぐらいうざかった。
「はぁ、わかりました」
「ため息つくと幸せが逃げるぞ」
あんたのせいだ。
「まあ、原因は俺にあるんだかな」
自覚あんのかよ!つーか、胸張んなよ!
もう帰ろう。
俺は家に着くとすぐにグローブをつかみキャッチボールをしに行く。
え?相手がいるのかって?
いるぞ。壁が。いるじゃねーな。これは、あるだな。うける、いやうけねーよ。
と、自分で自分に質問し、自分で自分にツッコミを入れて遊ぶ。うん。つまんねーな。
そして、河川敷の高速道路の下に行き、柱となっている壁にボールを投げる。実際はあんまりやりたくないんだがな、ボールがすぐにダメになるから。
と思いつつ、投げ続ける。真っ直ぐを中心に持ち球であるカーブ、スプリット、カットボールを投げる。というか、真っ直ぐ結構ノビるようになったな。体感は結構出せるかもしれない。70球くらい投げたところでダウンをし終わる。一年の間にできれば140キロほど出しておきたいが、それはまだまだ遠い。
でもコントロールはまた良くなってるな。多分ミットはほとんど動かないくらいのコントロールだな。コントロールだけならプロなみかそれ以上くらいある自信がある。そうすると、課題はやっぱり球速か。
まずは140に届かせないとな。このままだと行く気がしないが。
前世の俺は高2で155投げたから大丈夫だよな。多分。
翌日、今日は入部希望者がくる日だ
その日の放課後に人が訪ねてきた。
「海野君、呼ばれてるよ」
クラスメートに言われ、教室のそとへ出る。
いったいどんな選手なんだろう?と、期待を膨らませて廊下にテ出る。
「入部希望です!」
そこにいたのは、女子生徒だった。
そう記念すべき一人目の部員は
マネージャーだった。
ありがとうございました。
二話もお願いします。