2頁目
7月29日
目がが覚めた、辺りを見回す。
「ここは•••病院か」
何故だろうどこかで見た景色だ。僕は体を起こす。
「おはよう、朝はやいんだね」
そう言ったのは隣のベッドにいる同じクラスの彼女、そう、昨日事故にあった彼女だ。
「うん、早く寝たからね」
僕はそう答えていた。
「でも早く起きたならお話しができるね」
僕は思い出す、昨日の出来事を。でも浮かんでくるのは彼女が事故にあったこと、ニュースで見たことだけだった。
「どうしたの?」
返事が出来ずにいると心配そうに聞いてくる。
「大丈夫」
反射的にそう言った。
「そう、大丈夫ならいいんだけどね•••」
俯きながら彼女は言う。僕はどうしていいのかわからずただ黙っていた。ふいに彼女が口を開く。
「そういえば君に見てほしいものがあるんだ!」
そう言って見せてくれたのは1枚の絵だった。
「これは?」
その絵には桜と僕、彼女が居た。とても上手く、動くのではないかと思わせるほどだった。
「上手くかけてるかな?」
僕は素直に思ったことを言うことにした。
「すごく上手くかけてるよ、言葉では表せないくらい」
彼女は照れたように言った。
「ありがとう」
僕は彼女の反応に嬉しさを感じ、時計を確認する。時計は夜の9時を指している。
「もうこんな時間か、もう寝るね」
彼女は残念そうに言った。
「うん、今日はおやすみ。話し相手になってくれてありがとう」
その表情はとても悲しそうで、それを僕に見せたくないように布団に潜る。
「また明日話そうね」
今の僕にはこれを言うことが精一杯だった。
目が覚めた。時間を確認する。
「午後、5時•••」
周りを見渡す。テーブル、テレビ、イス。ここは自分の家だ。
改めて時間を確認する。今度は日付も見る。
「7月29日•••」
今日は何をしていたんだっけ?何も思い出せない。まるで昨日寝るときから今までの時間がなくなっているような、そんな感覚だ。
ふと何かを持っていることに気づく。
「これは•••」
手に持っていたのはスケッチブックだった。見覚えはない。中を開いてみると一枚の絵があった。
「忘れないで?」
絵にはそう書かれていた。一体何を忘れているのか、何を思い出せばいいのか、考えれば考えるほど頭が回らなくなっていく。
「これについては後で考えよう」
僕は今できることをするためにスケッチブックをテーブルにおく。
ふと、時計を見れば7時を指している。
「最近見るあの夢は何なんだろう」
僕はつぶやきながら部屋を後にした。




