第6話:初めての彼氏
ヒック、ヒック、と泣き続ける私に裕優は困っている様子だ。
ギュッ―――
いきなり私を包み込むように、抱き寄せてくる裕優は少し震えている。
「純麗……。ホントにごめんな?」
「ううん、大丈夫だから……」
そう言い、私は裕優の腕から抜け出す。
ホントは、ずっとこのままで居たかった。
だけど……そしたら自分がおかしくなってしまいそうで、自分から離れた。
私は、涙を拭い、顔を上げた。
裕優はどこか悲しい顔をしている。
「ごめんね……。だけど……裕優に抱きしめられると、ホントおかしくなりそうで」
「えっ?」
何故か、裕優は驚いている。
私、何か変なこと言っちゃった……?
急に不安がつのってきた。
「ごめん。何か変なこと言った……?」
恐る恐る聞いてみる。
すると、裕優はまたも驚き「えっ?」と言い、続けて「何か勘違いしてる?」と、付け加えてきた。
えっ?勘違い?
裕優には、勘違いと言われたが全然わからない。
「いや……。俺さ、てっきり純麗が嫌がってるのかと思って」
!!!
私、そんなに嫌がるそぶりしてた?!
ごめん、裕優。
心の中で謝った。
そして、今まで自分の心の中で秘めていた想いを、一気に打ち明けた。
「あのね、私……中学の時から裕優のことが好きだったの。高校に入ってからは、忘れようと思って忘れたんだけど、今日会って、またあの時の気持ちが戻ってきちゃって……」
俯いていた顔を上げると、裕優の顔が赤かった。
しばらくの沈黙の中、最初に口を開けたのは裕優だった。
「俺も……俺も、中学の時から好きだった。今も好き」
裕優の言葉で涙腺が緩んだのか泣き出してしまう私。
そんな私を裕優は優しく抱きしめてくれた。
私は、そんな裕優がすごく愛おしく思えて、ギューッ、と強く抱きしめた。
「裕優……私、今すごく幸せ」
「俺も」
そう言葉を、交わしながら、私達は幸せのひとときを過ごした。
「これ、俺のメアドとケー番ね!」
別れ際に、メアドとケー番が書かれた紙をもらい、私は落とさないようにと胸ポケットの中に入れた。